22年3月、記者会見に臨まれた愛子さま(写真提供:宮内庁)
《もし事実なら、皇室の持続的安寧のためには正しく吉報に違いない。静かに見守らせていただこうと思う》
自民党の長島昭久衆議院議員が、そんなツイートを投稿し、物議を醸したのは3月8日のこと。皇室担当記者はこう語る。
「長島氏は『皇位は、男系継承が古来例外なく維持されてきたのであって、女系に道を開くようなことは厳格かつ慎重に避けられてきました』などと発信してきたように、皇統の男系維持を主張する保守派の政治家です。長島氏が“吉報”と呼んでいるのは、『デイリー新潮』が3月8日に配信した記事の内容のことと思われます」
その記事の見出しは、《愛子さまと“新たな交流”が始まった二人の兄弟とは「旧宮家」の好青年の素顔》。
旧宮家・賀陽家の兄弟2人と、愛子さまの交流が始まっているという内容で、《とりわけ弟さんは愛子さまと4歳しか違わず、年代が近いこともあってことのほかお話が盛り上がり、最近も御所で面会していたというのです》といった皇室ジャーナリストのコメントも記載されている。
同じ内容の記事が『週刊新潮』にも掲載されており、また最近は、ほかの週刊誌も27歳と25歳だと伝えられている賀陽家の兄弟と愛子さまの関係をクローズアップしている。
兄弟の父・賀陽正憲氏は、天皇陛下とは学習院初等科から大学までの同級生。つまり友人の子供同士というご縁だが、なぜ長島議員をはじめとした男系論者たちは、愛子さまと旧宮家の男系男子との結婚を強く望んでいるのだろうか?
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。
「男系論者たちは旧宮家の皇籍復帰を主張してきました。旧宮家が皇籍を離脱したのは75年も前のことであり、一般人として生活していた男性が皇族になることに賛成できない国民も多いのです。
しかし賀陽家の男子と愛子さまが結婚すれば、以降はほかの旧宮家の復帰の足がかりともなります。復帰を望んでいる旧宮家の勢力とスクラムを組み、愛子さまの人気に便乗して、男系維持を強固なものにしようとする男系論者たちの意図がはっきりと見えます。もし結婚が実現しても、政治的思惑が絡んだ結婚という印象を国民に与えてしまうでしょう」
さらに宮内庁関係者は、高まり続ける愛子さま人気と小室眞子さんの結婚問題の余波についても指摘する。
「“適齢期の皇族のご結婚相手”が取りざたされるのは、何十年も前から変わりませんが、愛子さまが聡明で気品のある女性に成長されたことが、さらに関心を高めていると言えます。
また宮内庁内や皇室の周辺には“眞子さん結婚問題”への反省も強く残っています。秋篠宮さまは、お相手選びを完全に眞子さんに任せ、小室さんと交際が始まった後も、宮内庁職員に小室さんの家庭事情について調べさせませんでした。その後、小室家にまつわるさまざまなトラブルが明らかになったことも記憶に新しいです。こうした経緯から天皇陛下も、愛子さまに交際相手ができた際には、侍従職などと相談し、どう対応すべきか検討されるでしょう。
いっぽうで皇室の周辺では“今度こそ内親王にふさわしいお相手を!”と、お婿様探しの機運が高まっているのです」
■旧華族の親睦団体は“お相手情報”の宝庫
具体的には旧華族の親睦団体である「霞会館」も“周辺の1つ”だという。
「昭和のころですが、女性皇族のご結婚相手のリストアップのために、宮内庁宮務課の課長が、霞会館の会員名簿を広げてチェックしていた姿を目撃したこともあります。
霞会館の歴代事務局長は、宮内庁の課長経験者が務めています。“情報の宝庫”であることは間違いありません。また旧華族出身者のなかには、『あの家には、年ごろのお子さんがいる』といったことに詳しい人もいるのです」(前出・宮内庁関係者)
そして、ある霞会館の関係者は本誌にこう証言する。
「愛子さまのお相手については霞会館内でも、『どなたなら務まるのか』と、かなり真剣に“検討”が続けられています。以前には、幕末に活躍した大名・島津久光の流れをくむ玉里島津家のお子さんのお名前が挙がったことがありました。学習院ご出身で、愛子さまより9歳年上、温和なお人柄との評判でした」
賀陽家の兄は早稲田大学政治経済学部卒業、弟も同大学の理工学部卒業だが、2人とも高等科までは学習院に通っていたという。教育環境という共通点があり、皇族という存在を幼少期から知る機会もあるため、学習院出身者が“お相手候補”として俎上にのぼることは多い。
■4月からようやく愛子さまのキャンパスライフが
前出の霞会館関係者が続ける。
「内親王や親王がご誕生すると、学習院関係者の間で、“釣り合いのとれた年齢”のお子さんがいるご家庭が注目されるのです。
しかし例外がないわけではなく、現在、霞会館関係者の間で“有力候補”と目されている華道家元・池坊専永さんのお孫さんであるSさんは、学習院には通ったことがありません。それにもかかわらず、なぜ注目されているかといえば、“異例の学歴”も理由の1つです。“皇室史上でもっとも優秀な内親王”とも言われている愛子さまのお相手として見劣りしないものです」
Sさんは現在31歳、華道界のプリンスと目されており、写真家としても活動中。そして慶應義塾大学理工学部に入学後、再受験により文系最難関とされる東京大学法学部に入学・卒業したという経歴の持ち主だ。
「“文理両道”であり、やさしげな顔立ちのイケメンです。本人が“ハイスペック”であるだけではなく名家の出身ということで、天皇家とも接点があるのです。
Sさんの祖母は、かつて文部科学副大臣を務めた池坊保子氏。保子氏の父は子爵で、家系をさかのぼれば平安時代の村上天皇に突き当たります。また保子さんの母は香淳皇后の従妹と、“天皇家のご親戚”です。
Sさんはいま注目されている旧宮家男子ではありませんが、逆に交際や結婚に関して、男系維持派の政治家たちの思惑を意に介する必要もないといえます」
また池坊の関係者によれば、
「Sさんの叔母・池坊美佳さんも、天皇陛下が独身でいらしたころ、ご学友たちとの内輪のパーティに参加したり、陛下とテニスの混合ダブルスでペアを組んだりもしたご縁があるのです」
Sさん本人は天皇皇后両陛下や愛子さまにお目にかかったことはあるのか、また“お婿様候補”として注目されていることは認識しているのか。
それらを確認するために「池坊華道会事業部」に質問状を送ったところ、担当者は「関係部署と調整してご連絡します」などと話していたが、締切りまでに回答を得ることはできなかった。しかし前出の池坊の関係者はこう語る。
「Sさんのご祖父母をはじめ、そのご家族は皇室への強い敬愛の念をお持ちで、“お役に立てることがあれば何なりと”というご姿勢なのは間違いありません」
いまの愛子さまへの国民の期待を鑑みれば、そのお相手への興味関心がますます高まっていくことは想像に難くない。
愛子さまご自身は昨年3月の会見でこう語られている。
「理想のお相手については、特別これといったものはございませんが、一緒にいてお互いが笑顔になれるような関係が理想的ではないかと考えております」
新型コロナウイルス感染対策のため、この3年間オンラインで授業を受けていた愛子さまだが、4月からは学習院のキャンパスに通われるという。
“運命のお相手”は、囁かれてきた“お婿様候補”のなかにいるのか、それともこれから出会われるのか。いまは未来がはっきりと見えない、まるで春霞のような状態かもしれないが、愛子さまには大学生活最後の1年間を存分に楽しんでいただきたい。