米ニューヨーク州で2019年に忽然と姿を消し、行方がわからなくなっていたペイズリー・シュルティスちゃん(当時4歳)が、2月14日、祖父の家の階段の下から発見された。The Daily Freemanなどが報じている。
失踪当時、ペイズリーちゃんは親権を剥奪された両親によって誘拐されたと捜査当局は見ていたという。一向に所在が掴めないまま2年の時が経ち、ニューヨーク州ソーガディーズの民家に少女が監禁されているという情報が寄せられた。
その家は、ペイズリーちゃんの祖父にあたるカーク・シュルティスの家だった。警察が何度も手がかりを求めて訪ねていたが、決定的な証拠がないために強制捜査はかなわなかったが、今回、情報提供があったことでついに令状が発行された。
地元警察、州警察の捜査員が14日夜に踏み込むと祖父だけが在宅しており、「2019年からペイズリーには会っていない」といつものように捜査陣に告げた。
しかし、ソーガディーズ警察のエリック・ティエル刑事は地下に続く階段の構造に違和感を覚えた。
懐中電灯で照らしながら注意深く調べると、木の階段の隙間から毛布のようなものが見えたという。木の板を外していくと、階段下の“狭くて寒くて湿った”空間から少女と女を発見。
6歳になったペイズリーちゃんと、彼女を誘拐した母親のキンバリー・クーパーだった。
「上の子が郡当局によって法定後見人に引き取られたことを誰かが両親に知らせたために、両親はペイズリーを連れて逃げたのだと考えています」と、ソーガディーズ警察のジョセフ・シナグラ警部はCBS New Yorkに語っている。
両親はペイズリーちゃんとその姉の親権を失うことになっていたまさにその日、ペイズリーちゃんを誘拐し、祖父の家に軟禁し続けてきたのだ。
シナグラ警部はペイズリーちゃんの状態について、The Daily Freemanの取材に対して次のように語った。
「よく世話をされていたようで、監禁されていたことを考えれば健康状態は良好と言えます。
ただ、行方不明者として登録されていたために病院に連れて行くことはできなかった。
おそらく、ケガや病気をしても適切な治療は受けてこなかったはずです。また、学校に通っておらず、家でも全く教育を受けていなかったことは問題です」
家の中には「ペイズリー」と札のかかった寝室があり、普段ペイズリーちゃんはそこで寝起きしていたと見られる。警察の訪問などがあった際、身を隠すために階段下に入れられていたようだ。
保護されたペイズリーちゃんは警察署へ向かう途中、車窓からマクドナルドの看板を見て「もうずっとマクドナルドを食べてないな」とつぶやいたという。
それを聞いた捜査官は引き返し、ハッピーミール(日本のハッピーセット)を買ってあげたそうだ。その後、ペイズリーちゃんは法定後見人のもとに戻され、2年ぶりに姉と再会を果たした。
15日までに、両親と祖父は児童を危険にさらした罪と監護妨害の罪で起訴されている。