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「日本赤十字社の名誉総裁をお務めの雅子さまにとって、全国赤十字大会への出席は非常に重みのあるご公務です。コロナ禍により2年連続で中止となっていた赤十字大会ですが、ようやく3年ぶりに開催されます」(皇室担当記者)
5月19日、全国の赤十字会員やボランティアの代表を集め、功績のあった個人や団体を表彰する全国赤十字大会が開催される。
雅子さまは5月9日には、天皇陛下とご一緒に日本赤十字社の社長と副社長と御所で面会し、説明を受けられた。
皇室と赤十字社のつながりは深い。歴史学者で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。
「歴代皇后は赤十字社の活動に積極的に関わってきました。明治天皇の后(きさき)であった昭憲皇太后は、国際赤十字に基金を下賜され、今日でも昭憲皇太后基金として世界のさまざまな地域で赤十字の活動に役立てられています。昭和天皇の后であった香淳皇后も、戦時中に各皇族妃とともに戦傷病者の慰問活動などを熱心に行いました。平成の時代には美智子さま、そして令和の時代には雅子さまが、その役割を引き継いでいるのです」
この2年あまり、コロナ禍のため大会が中止となっただけでなく、外出を伴う公務も制限されていたが、その間も雅子さまは医療従事者に心を寄せられてきた。
’20年11月、両陛下は全国4つの赤十字病院をオンラインでご視察。雅子さまは「皆様が力を尽くされていることに敬意を表します」と、コロナ禍と闘う医療関係者にねぎらいの言葉をかけられた。
昨年12月の誕生日のご感想でも、国内外で新型コロナの治療法の研究などが進んでいることに触れ、《一歩ずつではあっても、我が国、そして世界の人々が着実にこの試練を乗り越えていくことができるよう願っています》とメッセージを記されていた。
「雅子さまは日本赤十字社の名誉総裁として、とくに医療従事者をサポートしたいという思いは強かったのではないでしょうか。それだけでなく、雅子さまは並々ならぬ思いがあるようです。それは、女性皇族の団結を示したいという思いです」
そう語るのは宮内庁関係者。今回の全国赤十字大会には、名誉副総裁をお務めの紀子さま、寬仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまもご出席の予定となっている。
「雅子さまは今年5月で皇后となられて4年目に入りましたが、皇室の現状に危機感を抱かれているようです。コロナ禍で、国民とのふれあいの機会はほとんどなくなりました。皇居での一般参賀も、’20年の1月以来開かれていません。平成から令和への御代替わりという重要な時期に国民との接点が激減したことは大きな痛手でした。雅子さまは、妃殿下が勢ぞろいする全国赤十字大会をきっかけとして、女性皇族の力で現状を打破しようと呼びかけられているのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
■妃殿下方が一丸となり皇室の一体感を示す
前出の小田部さんも「雅子さま自身も、お務めへの意気込みやご覚悟が高まっておられるのではないか」と語る。
「会場に臨席されることは、長引くコロナ禍のなかで従事されてきた医療関係者などへの励みにもなるでしょう。そして、雅子さまのみならず、紀子さま、信子さま、久子さまが一丸となってご公務を担われるのは、皇室の一体感や安定感を国民に示すことになります」
実は、妃殿下方は5月に入ってから、活動の幅を広げられている。久子さまは5月12日、女性の生活向上を目指すボランティア組織「国際ソロプチミスト東京―東」の設立50周年式典に出席された。
紀子さまも同日、秋篠宮さまとご一緒に、地域の現場で献身的な医療活動に取り組む医師を顕彰する「日本医師会 赤ひげ大賞」の表彰式に出席されている。
さらに信子さまは5月9日、香川県の直島を訪れ「瀬戸内国際芸術祭」の作品を鑑賞された。これまで最小限に抑えられていた地方ご訪問も、再開する方向に舵が切られたのだ。
「平成の初めの数年、上皇陛下と美智子さまはなるべく早く全都道府県を回ろうと、5泊6日で4県を巡るといった過密日程の地方ご訪問を何度もなさいました。そうやって“国民とともにある皇室”を目指されたのです。しかし、天皇陛下と雅子さまの場合は即位関連儀式を終えた矢先にコロナ禍となってしまいました。そうした苦境を乗り越えるためにも、オンラインの活用だけでなく感染対策のもと地方への訪問を増やしていくことも不可欠です。
雅子さまは妃殿下方にも、ご公務への出席、そして国民と触れ合う機会を増やしていくことを呼びかけられているのではないでしょうか。これまで、控えめな印象もあった雅子さまですが、令和の皇室を団結させるべくリーダーシップを示されるご覚悟なのです」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまのリーダーシップのもと女性皇族が輝くことで、令和の皇室はさらに国民に支持されていくだろう。