スタッフの解雇など、リストラの嵐が吹き荒れているというニューヨークの法曹界。5月には大手法律事務所がスタッフの解雇に踏み切ったほか、小室圭さんが在籍している法律事務所「ローウェンスタイン・サンドラー(以下LS)」でも、今春に16人ものスタッフが解雇されている。
今年2月、正式にNY州弁護士として登録したばかりの小室さんにとっても、背筋が凍るような状況が続いていたかに見えたが、ひっそりと事務所内で“新天地”へと歩を進めていたのだという。
「6月中旬に、小室さんが勤めているLSのホームページに変化があったのです。これまで小室さんは『Corporate, The Tech Group』というチームで、企業法務や新興IT企業向けの金融、投資分野を担当していました。それが『Global Trade & National Security』、日本語だと“国際貿易と国家安全保障”というチームの所属に変わっていたのです」(NY在住の日本人ジャーナリスト)
小室さんが転向したチームでは、弁護士は日常的にどのような業務に携わっているのか。
ニューヨーク州弁護士のリッキー徳永さんはこう話す。
「米国だけではなく、世界各国の企業がクライアントとなります。その業種は、金融、軍事技術、生命科学、航空宇宙、ソフトウエア開発、製造業、通信など多岐にわたります。企業活動が法令に準じているのかなどをチェックするコンプライアンス対応のほか、政府機関による調査への対応、輸出入などの貿易管理など、弁護士が関わる業務の幅も広い分野といえます」
だが、小室さんがロークラーク(法務助手)からアソシエイト(事務所に雇用されて働く弁護士)へと昇格してからわずか3カ月。ニューヨーク州弁護士の資格も持つ清原博さんは、
「アソシエイト1年目の配置換えはかなりめずらしいと思います。一般的に米国の法曹界では、新人弁護士が一つの部署で仕事を覚えるには、最低でも2~3年はかかるといわれており、あちこち異動することはそう多くないのです。LS側の都合というより、むしろ小室さんの志願だったのではないでしょうか」
■業務を通じて米国政府と接点も
リストラの嵐もどこ吹く風なのか、“国家安全保障弁護士”に転じたのはなぜなのか――。
「かつて小室さんが“弁護士資格の取得を目指している”と報じられた際にも、法廷で活躍する弁護士ではなく、国連などの国際機関やNGOといった場所で働くためではないかという声もありました。
また、オバマ元大統領やバイデン大統領も政治家となる前は弁護士でしたし、米国社会では弁護士を経て政治家や公務員になるケースは非常に多いのです。小室さんはLSを辞めたとしても、将来的に米国で活躍する布石として、昨今注目を集めている国家安全保障分野に転じたのでしょう」(前出・NY在住の日本人ジャーナリスト)
ロシアによるウクライナ侵攻や、近年激化する米国と中国の対立のために、企業が活動する際にも“国家安全保障”という観点が重要になっている。日米の安全保障分野に詳しい法曹関係者はこう語る。
「米国では、中国企業が手がけるSNSである『TikTok』を使って、中国政府が数百万人規模のユーザーの個人情報を収集しているとして、公的機関などを中心に使用を禁止する動きが広がっており、一般企業にも規制が波及する可能性が指摘されています。
さらに、外国の公務員への贈賄などを規制する法律にクライアントが触れないように予防するといったことなど、米国では弁護士が積極的に企業活動へ関わるケースが増えています。
弁護士が事前に関係省庁などに“お伺い”を立てたり、クライアントのビジネスが規制に抵触していないか、当局に意見を求めたりすることは少なくありません。このため、小室さんが米国政府に“パイプ”を作っていくことは容易だと思います」
前出のNY在住の日本人ジャーナリストは、眞子さんの存在も小室さんの弁護士としての活動に大きくプラスになると指摘する。
「元内親王である眞子さんは、2021年末にキャロライン・ケネディ元駐日大使が暮らすマンハッタンの高級マンションを訪問したと報じられました。キャロライン氏はジョン・F・ケネディ元大統領の長女で、眞子さんが学芸員として活動するメトロポリタン美術館(MET)にも勤務していたことがあります。
眞子さんとキャロライン氏は、宮中の行事などで交流がある旧知の仲で、眞子さんの“MET入り”にも関わったとみられています。キャロライン氏のいとこが来年の大統領選での民主党指名候補に名乗りを上げるなど、ケネディ家は現在もホワイトハウスに影響力を持つ一族です。
眞子さんと小室さんは、2人で作り上げた“コネ”をもとに、NYでの暮らしをさらに盤石なものにしていくつもりなのでしょう」
かねて現地の総領事館のサポートが続いていると報じられているが、ゆくゆくは米国政府に近づき、新たな支援も――。眞子さんと小室さんの深謀が、徐々にその全貌を見せ始めた。