歌舞伎役者の中村芝翫さん(55)が4年ぶり2度目の不倫をしたとして、週刊文春にスクープされました。お相手は30代のアンジェリーナ・ジョリー似の日本人美女ということで、一体どんな人なんだ……と、多くの読者が想像を巡らせたことでしょう。
この報道に対し、妻で女優の三田寛子さん(54)は、「離婚はしません」とバシッとコメント。「見事な火消しぶり」と言われていますが……これって本当に、見事な火消しなのでしょうか。
■歌舞伎役者の不倫は本当に芸の肥やしなのか?
なんとなく私たちの中には「歌舞伎役者の不倫=芸の肥やし」という図式が当たり前にあり、実際に不倫や浮気の類が出ても歌舞伎役者はお咎めなしといったことも多いように思います。
しかし今回の報道は50代の不倫です。円熟味もある歌舞伎役者がいまだ女遊びで芸を肥やさなくてはいけないのであれば、それはどうなのか。
むしろ二度目の不倫報道であり、それもコロナ禍のスキャンということでより高度な火消しが求められた妻側にこそ「女としての肥やし」があった気もします。まあ、その肥やしが欲しいかは別としてですが。
一般社会と別のルールが多くある世界だからこそ、一般論に置き換えることは難しいもの。しかしシンプルに「55歳が32歳とコロナも気にせず長距離移動を繰り返して恋愛して、しかも結婚記念日も棒に振る」という事実に、げんなりした人は多いのではないでしょうか。そしてそれは、妻の三田さんしかり……。
■「私はあなたのお母さんじゃない」は見事なのか?
三田さん側は文春のインタビューに応じ、「(夫も含め)男四人の母親みたいに言われますけど、『私は(あなたの)お母さんじゃない!』と言いたい。人生のパートナーなんです」と言葉を選びながらも、夫に対して辛めのコメントをしています。
この「あなたのお母さんじゃない」発言を見た際、夫婦としての最後通告のようなもの(実際に離婚するかどうかではなく、関係性としての苦言)を感じたのは、筆者だけではないはずです。
夫婦の多くは結婚して子育てなどに取り組むと、どうしても男女ではなく父母の関係に落ち着きがちです。
30年も連れ添っていたらそれはある程度仕方のない部分もありますが、改めて「あなたのお母さんじゃないです」と公の場で言うということは、それだけ「女として扱われていないのでは」という叫びであり怒りなのだと思います。
現代において実は妻を女性として本当に長きに渡り大事にできる男性のほうが希少であり、芸の肥やしになるのではないか。コロナで家族の絆や人との繋がりがより叫ばれる今、そんなことを思うのでした。
(文:おおしまりえ)