3月31日に最終回を迎えた、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の、全126回の関東地区での期間平均世帯視聴率が15.6%だったことが、4月3日、ビデオリサーチの調べによって分かった。
ストーリーに辛らつなツッコミをSNS上で投稿する“反省会”が、毎度のように開かれていた前作『ちむどんどん』を0.2ポイント下回る結果となり、2010年以降、もっとも低い数字を記録してしまったようだ。
『ちむどんどん』の反省点を踏まえてか、比較的“おとなしめ”なストーリーが展開された感のある同作だったが、終盤にかけて視聴率が低下してしまっていた。
「地上波の連ドラの平均視聴率が10%を切る現状で、朝ドラはもっとも高い水準の“数字”を持っています。視聴率が20%を切れば、話題に取り上げられてしまうほど。
無論、視聴率だけでドラマの善し悪しが決まるわけではありませんが、2020年代に入ってから“朝ドラ離れ”が指摘され続けています」(週刊誌記者)
ビデオリサーチの統計を見てみると、たしかに2020年放送の『おちょやん』(杉咲花主演)以降、期間平均世帯視聴率は20%を割り続けてしまっている。思い出されるのは、“2000年代の悪夢”だ。
「2000年代といえば、民放が大ヒットドラマを次々と生み出した時代。同年代に入って、藤澤恵麻さんがヒロインを演じた『天花』(2004年前期)で初めて、NHKの朝ドラとして関東地区の初回視聴率が20%を割ってしまいました」(同前)
2009年後期の作品『ウェルかめ』(倉科カナ主演)では、平均視聴率が13.5%という“歴代ワースト”を記録。NHKは低迷期を抜けるため、2010年前期の『ゲゲゲの女房』(松下奈緒主演)から、それまでの8時15分開始を、8時に繰り上げる。
「その後、しばらく初回視聴率20%割れが続きましたが、『あまちゃん』(2013年前期・のん主演)、『あさが来た』(2015年後期・波瑠主演)など、最高視聴率が27%を超える人気作も生まれ、“復権”を果たしたのです。
リアルタイムの視聴率だけでは人気度がはかりにくくなってきた昨今とはいえ、『おちょやん』からの“冬の時代”を抜け出すには、2010年にNHKがおこなったように、“思い切った転換”が必要かもしれません」(同前)
ちなみに、4月3日から放送が開始されている『らんまん』の初回視聴率は16.1%。こちらも好調スタートとはいえない数字だが、何か“秘策”はあるのだろうか。
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