イスラエルvs.ハマス「虐殺の連鎖」なぜ止まらない?「今後は20年前の状態に戻る」世界大戦の可能性は?
「我々は肉食動物を見た」
■ハマスはなぜ、突然イスラエルを攻撃した?
「ハマスは、2007年にガザ地区を掌握した武装組織です。今回だけでなく、これまで何度もイスラエルを攻撃してきました。2021年の大規模な戦闘では、イスラエルに徹底的に潰されたため、2年5カ月かけて準備をしたということです。
「イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で今年殺害されたパレスチナ人の数は、8月までに過去最多を記録しました。それほど関係が悪化していたのです。
■なぜイスラエルは、今回の攻撃を予見できなかった?
「イスラエルが発布するガザ地区外での労働許可証など、経済的利益になびき、ハマス側は『戦うつもりはない』というそぶりを見せ、イスラエルを油断させていたという情報がありますが、それだけではありません。
「一部では、今回のハマスによる攻撃の背後にロシアのワグネルが関与しているといわれています。具体的には、ワグネルが根城とするアフリカ地域で、ハマスの戦闘員を訓練していたというものです。国外で準備されていたため、予見できなかった可能性があります」(筑波大学・中村逸郎名誉教授)
■イスラエルは、今後ガザ地区をどうするつもり?
「地上侵攻をおこない、ハマスのせん滅作戦を実施するでしょう。そもそも、1993年にPLOとイスラエルの間でオスロ合意が結ばれました。イスラエルは、ヨルダン川西岸とガザ地区を自治政府のものだと認めたわけです。
■ハマスを支援する国やウクライナ戦争を巻き込み、世界大戦が起きる?
「ハマス自体の戦闘員は3~4万人といわれています。イスラエルと戦っても、話になりません。ワンサイドゲームです。レバノンの武装組織・ヒズボラが参戦する可能性もありますが、やはりイスラエルが圧倒的有利。
「米国の共和党は、ウクライナ支援には消極的ですが、イスラエル支援には積極的です。“二正面支援” を強いられる米国が、ウクライナへの支援の規模を減らす可能性はあるでしょう」(名越氏)
「11日、ゼレンスキー大統領がイスラエルを訪問する意思を表明しました。ゼレンスキー氏の目的は何かというと、イスラエルと接近し、自分たちも核を手に入れることです。