「みきママ」が離婚発表 “稼ぐ妻”と離婚、シンパパとなった男性の苦悩「世間の目は痛かったです」
「レベルが違うのは承知のうえですが……」と、重たい口を開いてくれたのは小畑達也さん(36・仮名)だ。小畑さんも、いわゆるキャリアウーマンの奥さんと離婚した経験者である。
「みきママほどの稼ぎも知名度も、もちろんありませんが、彼女は年収1400万円ほどありました」
「結婚した当初、彼女はフリーターでした。子どもも生まれたので、しばらく専業主婦だったんですが、『少しでも僕を助けたい』という気持ちで始めた、ネット関連のマーケティングが大当たり。どんどん月収が上がり、僕よりも稼げるようになると『立場を交代したい』と言われました」
「どう計算しても、彼女が働いたほうが世帯年収が上がるんです。仕方なく、僕が会社をやめて雑用などをこなし、家事を全面的にサポートする、という生活が始まりました」
「専業主夫になって、すぐに新築マンションに引っ越したんですが、どうしても好奇な目で見られるんです。会社をやめるときも『いいなぁ、俺もカミさんに食わしてもらいたいよ』などと上司に嫌味を言われたし、妻の仕事のサポートをするから、完全に働かないわけではない、といくら説明しても、世間からみたら“ヒモ”みたいに見えるんですよね……」
「子どもが小学校に上がるとき、僕も復職を考えて妻に相談したんです。そうしたら『月々20~30万円しかもらえないんだから、働かなくてよくない?』と言われて。月に100万円以上稼げる彼女からしたら、わざわざ週に5日も外に働きに行って、それしか稼げないのなら意味がないと。『もう少しお小遣いあげようか?』とまで言われてしまい……」
「自分の人生、さすがにこれではよくないと思いました。そこまで稼げる才能がなくても、自分はヒモ気質じゃないし、多少なりともプライドだってありますからね」
「悲しくなるほど子どもに執着がなかったので、さすがに不憫に思いました。もうずっとシンパパ状態だったし、子どももとくにストレスは感じなかったようですが、世間の目は痛かったです」
子どもを学童に預けて復職したというが、仕事が決まるまで「10カ月以上かかりました」と苦笑する。
「妻の会社の経理や面倒な雑用をしていたのですが、身内の仕事の補助だったせいか『楽な仕事をしていた』みたいに思われて、まったく評価されませんでした。
「まだ、世間的には『子どもは母親が育てる』という考え方が根強くあるんだと思います。子どもに『友達のママに、“パパと暮らしてるの、すごいね。ママ、何かあったの?”と聞かれたよ』なんて言われたこともありました。父親が子どもを引き取っている、イコール、なぜ? と思う人が多いんですね……」
「はやパパさんは知人だけでなく、ネット上でも言われ放題でしょう。僕みたいな、一般人の狭いコミュニティで生きている人間ですら、シンパパになって『きっついなぁ』ということがたくさんあったので。何があったのかは本人たちにしかわかりませんが、そっとしておいてあげてほしいな、とおせっかいながらも思います」
(取材&文・きよのじゅん)