NHK朝の連続テレビ小説、大河ドラマの両方で主演をはたした女優の吉高由里子。8月21日にWEBメディア『telling,』で掲載された彼女のインタビューが、話題を呼んでいる。
記事によれば、吉高は2007年、映画『蛇にピアス』の撮影前に、交通事故で重傷を負ったという。ICUに入るほどの大怪我で、撮影スケジュールはすべて飛ぶ事態に。当時を振り返り、吉高は《こんなにも大勢の方が関わっていて、私1人の事故でこんなにも皆さんのスケジュールを引っ掻き回してしまうんだなと。そこから俳優の仕事に対する心構えが変わったと思いますね。》と語っている。
2013年2月21日号の「週刊文春」でも、吉高は過去の交通事故について語っている。《頭を打って、顎を骨折して、何日か経って意識が戻ったときには、自分の名前も言えなくなってたんですね。全部飛んじゃって。》と、かなり壮絶な状況だったことを明かしていた。
医師からは、治療には半年かかるとも伝えられたという。当時、女優業や生きることにそれほど執着していなかったというが、ICUでの経験のなかで、吉高は葛藤していった。
《ICUって当たり前のように人の命が消えていっちゃう場所なわけです。隣のベッドの人が亡くなったりして、ひょっとして明日は私なのかなあ、なんて思ったら、今まで感じたことのない感情が湧いてきて、あ、生きたいなって……。》
その後、急な発熱が続いたのち、ものすごいスピードで怪我が治り始めていったという。結局、1カ月半で治療は終わったというから驚きだ。2015年に、吉高は自身のTwitterで《変化に気付く心を持っていたい ICUにいた時の色々感じた心を思い出した 思い出す事を忘れてた》とも語っており、ICUでの経験が人生観に与えた影響は大きかったようだ。
復帰後にのぞんだ『蛇にピアス』の撮影では、大胆な濡れ場シーンも体当たりで演じ、吉高の名を世に知らしめることとなった。
「『蛇にピアス』以降、吉高さんは急速に売れていきました。2014年には連続テレビ小説『花子とアン』に主演し、コンスタントに連ドラや映画に出演。そして2022年5月には、2024年の大河ドラマ『光る君へ』にて、主人公の紫式部役を演じると発表されました。
連続テレビ小説と大河の両方で主演を務めた女優さんは、松嶋菜々子さん、宮崎あおいさん、井上真央さんと、過去に3人しかいないんです。朝ドラに出演し、大河でも主要人物を演じる女優さんは多いのですが、大河は男性が主人公になりがちですから。どちらの主役も押さえているとなると、かなりの偉業ですよ」(エンタメライター)
ネット上では、吉高の過去を知った人々から、称賛の声が集まっている。
《ここ10年でナンバーワンの逸材と思てるけど、葛藤が多いのね。太陽と海の教室はいい演技してて、そこで彼女を初めて知った。》
《全治半年の大怪我で生死を彷徨った経験が今の吉高さんの人生となっている。もう日本を代表する大女優になる直前まで来ている。》
死の淵をさまよった経験が、彼女の人生観を変えた。今後、ますますの活躍に期待がかかる。
外部リンク