6月1日から、改正動物愛護法が施行され、犬や猫の販売業者に、マイクロチップの装着が義務化された。犬猫の迷子対策や、遺棄防止などの効果を見込んでのことだ。
今回、義務化されたのは、ブリーダーやペットショップなどの販売業者が対象だ。すでに犬猫を飼っている飼い主にとっては、「努力義務」となる。装着費用の約1万円は自己負担となる。
マイクロチップは長さ1センチほどの電子器具で、犬猫たちの首の後ろあたりに埋め込む。15桁の識別番号を専用の機器で読み取れば、データベースに登録された業者名や飼い主の名前、連絡先などの情報がわかる仕組みになっている。
近年はマイクロチップの有用性が叫ばれてきたものの、「首に異物を入れるなんて」と、抵抗感のある人もまだまだ多い。今回の改正で装着は進むのか。本誌は100人にアンケートを取った。
「実際にマイクロチップをつけるか」と質問したところ、「つける」と答えたのは43人、「つけない」と答えたのは52人、「すでにつけている」と答えたのは5人だった。
「つけない」派がやや優勢という結果に加え、まだまだマイクロチップの普及は進んでいない状況も明らかになった。それぞれの理由も見てみよう。
【つける】
・義務づけされたから
・つけていれば安心
・犬の場合は散歩で外に出るので、万が一のことを考えるとつけた方がいいと思う
・ペットが迷子になったときに探しやすいと思うから
【つけない】
・体に余計なものを埋め込みたくない
・かわいそうだから
・たとえ法令で義務化されようと、犬や猫にこちらの都合で “チップ” と称するものをつけようという気にはならない
・完全室内飼いだし、年をとっているので痛い思いをさせたくない
今回の改正で思うこと、不安なことについても聞いたところ、「ペットの体に悪影響はないのか」「装着時は痛くないのか」など、ペットの身を案じる声が多く見られた。
マイクロチップ装着を普及させるには、こうした不安や疑問を解消していくことが求められている。
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