俳優の小松菜奈が、産後初めて公の場に姿を見せた。4月25日に都内でおこなわれた、映画『わたくしどもは。』の完成披露試写会で舞台あいさつ。小松は、夫で俳優の菅田将暉と設けた第一子の誕生を3月9日に発表していた。
ネットでは、小松の現場復帰に対し祝福が寄せられるとともに、出産翌月という点に「復帰が早すぎる」との意見も――。
《みなさん出産後の活動が早いですね 出産前から決まっていた仕事かもしれないですが出産は女性の人生の中で1番の大きなことなので無理しないでお身体を大切にしてください》
《産後1ヶ月って、出産直後から続く出血がようやく止まったかどうかという時期です(中略)本人がやりたいと言っても、少なくとも産後半年は仕事をしないことが当たり前の社会になって欲しい》
《こういう有名な影響力のある人が産後すぐに働き出すのは、、ぜひ率先して辞めてほしい。。産後は授乳、おむつ替え、夜泣き、、赤ちゃん中心の生活で。。普通は産後すぐは前みたいに働けない》
産後に仕事を再開するのはどれくらいのタイミングが適切なのか。函館稜北病院総合診療科の医師、舛森悠氏が解説する。
「小松菜奈さんの産後1カ月での職場復帰について、このような短期間での復帰は必ずしも危険だとは言えません。もちろん母体の健康を十分に考慮しなければなりませんし、復帰に適した時期は個人によって異なります。
たとえば、帝王切開をおこなった場合、回復までには時間がかかります。妊娠中は運動不足になりがちで、体力が大きく低下していることには注意が必要です。
復帰の時期は夫からどの程度のサポートを受けられるかによっても変わってきますし、経済状況次第では働かざるを得ない家庭もあるでしょう。周囲の偏見や固定観念に左右されることなく、それぞれの家庭や個人の状況に応じた選択することが重要です。
産後すぐに職場復帰することが母親にとって最適な場合もあれば、長期にわたる育児休業を取得してじっくりと子育てに専念することが必要な場合もあります。いずれの選択をしたとしても、それが母親や家族にとって最善なのです。
日本における産前産後の休暇は、産前6週間、産後8週間と法律で定められており、さらに育児休業を取得することができるなど、実は欧米などと比べて非常に恵まれています。
産休の制度を母親が必要に応じて活用することは、家庭の幸福と女性のキャリアの両立のために非常に重要です。最終的には母親一人の責任ではなく、職場や社会全体にも、各家庭の事情に応じて柔軟に対応し、サポートする姿勢が求められます」
精神科医の高木希奈氏は、特に「産後うつ」には注意が必要と呼びかける。
「女性にとって妊娠・出産は命がけのイベントです。特に第1子の場合は不安も大きいでしょうし、ホルモンバランスや生活環境の変化などにより、誰しもがマタニティブルーになる可能性があります。
症状としては、不安焦燥、抑うつ気分、情動不安定(涙もろくなる、イライラする、怒りっぽくなるなど)、意欲低下、不眠、食欲低下などが見られます。
マタニティブルーは多くの場合一時的で、日常生活にそこまで支障はなく、治療をしなくても自然と軽快していきます。しかしながら、ときには悪化して産後うつ(産褥期うつ病)になる場合があります。
特に真面目で責任感が強い、完璧主義、うつ病の罹患歴、周囲のサポート不足などが発症の要因にあげられます。産後うつがさらに重症化すると、子供への虐待、自殺や子供との心中のリスクも高まるため、要注意です。
そうした状態にならないために、頑張りすぎない、疲れたらゆっくり休む、一人で何でもやらずに周囲に助けを求めることなどが大切です。メンタル面で少しでも不調を感じたら、早めの受診をおすすめします」
小松には無理せず、子育てと仕事を両立してもらいたい。
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