3月7日にパリで開催された、シャネルの2023/24年秋冬プレタポルテコレクション。ショーの会場には、アンバサダーを務め、今シーズンのコレクションでメインビジュアルに起用されている女優の小松菜奈と、その夫で俳優の菅田将暉の姿が。
2021年11月に結婚を発表した2人。会場では、菅田が小松をエスコートしたり、小松が周囲に「私の夫です」と菅田を紹介したりと、微笑ましい場面が見られたと報じられている。
夫婦の仲睦まじい姿が話題になる一方、大きな注目を集めたのが、菅田のスタイリングだ。メガデスのバンドTシャツの上に、シャネルの白いジャケットをはおり、ピンクのパンツの上にグレーのパンツを重ね、仕上げに白縁のサングラスという独特な着こなしで登場。あまりに高度なスタイリングに、SNSでは大論争が勃発することになった。
《世界ではこれがトレンドなのか》
《菅田将暉の服装新婚さんの格好じゃなくてダサいオラつき男にしか見えなくて草》
と批判的な意見もあれば、「いい着こなしだ」と見る向きも多い。
《2人ともお洒落やなぁ 菅田将暉の着こなしはやっぱかっこいいな》
《服が好きで自分でチョイスして常人に理解されなくても本人に似合ってて最高じゃんか。そしてTPOにも合ってる(ここが一番のポイント)ダサいなんて微塵も思わない夫婦で公の場で堂々としてて素晴らしいです》
《小松菜奈氏とほんのりリンクコーデっぽくて可愛いと思ったけどな》
実際のところ、ファッションに詳しい人は、菅田の着こなしをどう見るのか。男性ファッションに詳しいコラムニスト・いであつしさんは、「ファッションが好きな人間から見たら、今回のスタイリングは非常におしゃれですよ」と語る。
「まず、今回、菅田さんが着用しているのは、シャネルの白いツイードジャケットです。シャネルにはメンズラインがほとんどなく、菅田さんが着ているジャケットはレディースになります。
最近、世界的にシャネルのジャケットが流行っているんです。男性たちが、ジェンダーレスの流れをくんで着用することも増えていて、2月にルイ・ヴィトンのデザイナーになったファレル・ウィリアムスというミュージシャンも着用していました。
まだ日本人で着ている人を見たことがなかったので、菅田さんのスタイリングはさすがだと感じました。
それと、小松菜奈さんと並んだ姿を見ると、夫婦でスタイリングを合わせていることがわかります。菅田さんはツイードジャケット、小松さんはツイードスカートという組み合わせで、2人そろうと上下セットアップになる、そんな印象を受けます」
SNSに散見される「菅田の服がおばさんっぽい」という声には、「1980年代の泉ピン子さんのファッションが影響しているのでは」と分析する。
「泉ピン子さんも、“シャネラー” と呼ばれたほどのシャネル好きです。シャネルのツイードジャケットなどをよく着ていて、印象に残っている人も多いはず。それもあって、菅田さんのジャケットに対し、“おばさんぽい” と感じた人が多かったのでしょう。
これは知人のファッション業界人の感想なんですが、『あれだけ着崩して、大したもんだよ。ただ、ピンクのパンツを重ねるのはやりすぎだったかも』という話がありました。
また、ウルトラセブンっぽいサングラスは、狙っているんでしょうが、難しいですよね(笑)。僕はあのサングラスに一番チャレンジ精神を感じました。
いずれにせよ、全体を見ると、男性がシャネルのジャケットを着るという世界の流行をきちんと捉えているし、シャネルへのリスペクトも感じる着こなしです。小松さんと2人で並ぶと、わかる人にはよくわかる、最強のファッションリトマス試験紙ですよね。僕は非常に素晴らしいと感じました」
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