「これまでは、出演者を大阪に呼び寄せてリハから収録までおこなうのが“大阪式”だったのですが……。今回はそれがなくなるようなんです」
こうNHK関係者が話すのは、2024年秋に放送開始予定で橋本環奈(25)がヒロインを務める連続テレビ小説『おむすび』の撮影についてだ。
「制作発表と同時に、橋本さんのヒロイン起用が明かされたのは2023年8月のことでした。NHKが用意周到に橋本さんを“狙い撃ち”したためだ、と言われています」(芸能記者)
橋本は2022年、2023年と2年連続で大晦日の『NHK紅白歌合戦』の司会を務め、お茶の間から大きな注目を集めた。
「現在、NHKの橋本さんに対する期待度は最高潮に達しています。“若者視聴率”を重視して彼女を起用した、2022年の『紅白』で期待どおりの結果が得られ、翌年の連続登板とともに朝ドラ主演にも白羽の矢が立ったんです。
朝ドラといえば、オーディションでヒロインが選考されるのがほとんど。しかし、橋本さんの起用はオーディションなしで決定した。いわば“三顧の礼”で彼女を迎えたNHKは最高の待遇を用意しています」(同前)
そのひとつが撮影場所だという。芸能関係者はこう話す。
「これまで、大阪制作の朝ドラでヒロインを務めた戸田恵梨香さんや深津絵里さんら大物女優も、大阪に住み込んで撮影に臨むのが慣例でした。
しかし、『おむすび』では多忙な橋本さんに配慮して、撮影の多くを東京でおこなうことになっています。半年以上に及ぶ長い撮影になりますが、前半は東京撮影。後半から大阪撮影の可能性もあるという状況です。
というのも、橋本さんには朝ドラより前に決まっていた“一世一代の大役”も待っていますからね……」
2022年に橋本は上白石萌音とともに宮﨑駿監督の国民的アニメ映画『千と千尋の神隠し』の舞台化で主演を務めたが、その大成功を受けて、今年4月末から英国・ロンドンでの4カ月公演が決まっている。
前出のNHK関係者が続ける。
「すでに『千と千尋』のロンドン公演が決まっていたなか、NHKは無理を承知で橋本さんへの朝ドラ出演をお願いした。そのため、橋本さんの負担が少ない東京撮影を増やしたわけですが、これを機にコスパが悪い大阪制作そのものにメスを入れる動きが出ています。多忙な橋本さんへの対応が“錦の御旗”にされた格好です。
これまで、大阪制作の朝ドラヒロインや主要出演者は、NHKが借りる大阪のマンションで半年間生活してきたのですが、ほかに週末の東京への交通費、近所のジムの会費などもNHKが負担してきました。それだけで数千万円単位の経費がかかるんです。
対して、『おむすび』は出費について締めるところは締めるというスタンス。今作の収支決算の結果で“脱・大阪制作”が本格的に進むかもしれません」
NHK大阪放送局に、これまでの朝ドラでの慣例や今後それらが廃止される可能性について尋ねると、制作過程の詳細は答えないとしながらも「そのような事実はありません」とだけ回答があった。
“千年に一人の逸材”で名を馳せた橋本だが、朝ドラ111作の歴史にも大変革を起こすかも――。
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