薬の副作用で"暴走事故"が起きていた!老人ドライバーだけでなく若者も加害者に…和田氏がリスク指摘
「ブレーキが効かなかった」
「本当に高齢だけの問題でしょうか」
「当時、飯塚受刑者はパーキンソン病を患い、治療薬を処方されていたことが明らかになっています。実際、多くの高齢者は体の不調で病院に通い、複数の薬を服用していることが多い。そして私は、病気そのものではなく、この薬の副作用が事故の原因ではないかと考えているんです」(和田氏、以下同)
「意識障害とは、体は起きているのに頭が寝ぼけた状態です。たとえば、せん妄ですね。これは幻覚が見えたり、急に興奮することがあり、高齢者の場合、認知症だと誤認されやすいです。しかし、入院患者の3割が経験するといわれるほどポピュラーな現象です。
「やっぱりな、という印象です。実際、医療用医薬品の4分の1は、服用後の運転を禁じるか、注意を促しています。しかし、実際に患者に渡す際、医師や薬剤師は十分な説明をおこなっていませんし、患者のほうも、“運転禁止” を真に受けていないのです」
「1位のプレガバリンは痛み止めの一種で、僕自身も帯状疱疹がひどかったときに飲んだことがあります。中枢神経の興奮を抑える作用が強く、効きめはありますが、同時に眠気もくるし、注意力の低下を招きます。
「そもそも、薬物の影響で正常に運転ができないことをわかっていながら運転した時点で、過労運転等という交通違反にあたります。さらに、事故を起こした場合、危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
「多くの薬を飲んでいればいるほど、事故を起こす可能性も高まりますからね。意識障害を起こし得る薬を服用することは、飲酒運転と同じようなものだと、社会的な認知を高める必要があるでしょう」