朝の時間帯で “バラエティ” する――。各局が社会的なニュースや芸能ネタでしのぎを削るなか、MCの麒麟・川島明を中心に異色のお笑い番組として突き進むのは『ラヴィット!』(TBS系)だ。
「2021年3月の放送開始当初は、あまりに低い視聴率のせいで “失敗番組” 扱いされました。
しかし、お笑い芸人を多数起用し、クイズ形式で大喜利をおこなうなど独自路線を追求した結果、同時間帯の『ZIP!』(日本テレビ系)、『めざまし8』(フジテレビ系)、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)などと競合しない、独自の地位を築くことに成功しました。
同局内のバラエティ班が制作しているため、リハーサルをおこなうスタッフたちの間でも笑顔が絶えない、明るい現場だと聞いています」(芸能記者)
ところが、「最近、笑えないんですよ」と語るのは、番組制作関係者だ。
「私たちは、基本的に曜日ごとのチームで分かれて番組を制作していますが、ある曜日のAP(アシスタント・プロデューサー)を務める40代女性のAさんのセクハラがひどいんです」
Aさんのおもな仕事は、番組制作でいちばんの “下っ端” であるAD(アシスタント・ディレクター)を統括すること。
「各曜日にそれぞれ20人ほどのADがいます。20代が多いADからすれば、Aさんはまさに絶対的な “女帝” です。出演者のお弁当や台本の手配、ロケ場所の調整、こまごまとした小道具の用意まで、あらゆる雑用がADの仕事ですが、そのすべてをAさんの指示のもとで動いています」(前出・番組制作関係者)
Aさんのセクハラの餌食とされるのは、若い男性だという。
「定期的に “お気に入り” ができるんですよ。童顔で物腰が柔らかい男のコがターゲット。特に好きだったXくんに対しては、デスクで仕事中に頭や肩を何度もなでる、スマホで顔を遠くから撮影して、本人にLINEで送りつけるなど、異常なベタベタぶりでした。
体を触る様子は、同じフロアにいるスタッフならほぼ全員目撃していたと思います。XくんにとってAさんは上司ですから、その場では迎合するしかありません。しかし、Aさんから送りつけられたLINEを周囲に見せて相談するなど、実際には焦燥しているようでした」(同)
X氏は、密室でさらに衝撃的なセクハラを受けたこともあるという。
「温泉宿でロケをするため、AさんとXくんは撮影隊より一足先に部屋に入ったそうです。窓越しに『いい景色ですね』などと話していると、後ろから突然、Aさんに抱きつかれるようなかたちで胸を押しつけられたそうです。
このままではまずいと思ったXくんは、『記念撮影をしましょう』と言って、なんとか横並びになり、それ以上の接触を避けたそうです」(同)
さらに、気に入らない女性ADに対しては、パワハラに及ぶこともあったという。テレビ局関係者がこう話す。
「ある女性ADが、番組用の資料をAさんに見せたところ、『こんなんじゃダメだ!』と資料の紙を丸めて頭を叩かれたそうです。
困ったスタッフは、一連の問題をそれとなく制作会社のプロデューサーやディレクターなど、Aさんより役職の高い人物に相談しましたが、あまり真剣に受けとめられなかったそうです。
そこで、意を決して、3月に複数のスタッフが法務コンプライアンス統括室に駆け込みました」
同部署では、こうしたスタッフの訴えを受けて調査を開始。ターゲットにされていたX氏への聞き取りもおこなわれたという。
「相談したスタッフのひとりは、同部署から『これはセクハラですね』とはっきり言われたそうです。どんな処分が下されたのかいまいちわかりませんが、3月下旬のある週から、突然、AさんがXくんを触らなくなったので、局から注意されたのだと思います。
Aさんは、4月末で私用のために番組を離れるそうです。さすがに居心地が悪くなったのでしょう」(前出・テレビ局関係者)
本誌は、A氏の件についてTBSに確認したが、「スタッフの人事に関してはお答えしておりません」という回答だった。
前出・番組制作関係者は、「女性によるセクハラだから見逃されたのか、法務コンプライアンス統括室にSOSを出すまでなぜ問題視されなかったのか、疑問です。Aさんのせいで、この番組を離れてしまった優秀なスタッフもいますからね……」と悔やむ。
いつでもスタッフが “笑える” 現場であってほしいものだ。
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