「起訴・不起訴にかかわらず即解雇すべきでは」
6月21日の西武ホールディングス株主総会は紛糾した。話題の中心はもちろん、西武ライオンズの主砲・山川穂高(31)だ。女性への強制性交容疑で書類送検されて1カ月がたった。現在は “三軍落ち” し、事実上の無期限謹慎に追い込まれている。
総会では、冒頭のような厳しい意見の一方、得点力不足で下位に低迷するチームの現状を憂い、復帰を望む声も上がった。
その翌日――。
山川は、西武ドームの屋内練習場で、ファームの選手らとともに練習に励んでいた。その様子を観覧したファンは、彼の姿に胸が苦しくなったという。
「奥の隅っこで、ひたすらノックを打ち、若手3~4人の練習相手になっていました。あの世界一に輝いた侍ジャパン戦士が、“下働き” しているんですから、寂しい限りです。
ただ、ノックを打つ目が時折『俺はこのままじゃ終わらねえぞ』と言わんばかりに鋭くなるときもあって……。まだ一軍復帰をあきらめていないんだろうなと感じました。一部で、『10キロ激やせ』なんて報道がありましたが、むしろ少し太ったように見えました」
練習は14時ごろまでおこなわれ、「練習終了」の合図が聞こえたとき、山川の取った行動に目を見張ったという。
「選手、スタッフらと、球拾いを始めたんです。ただ、ほかの選手らはテキパキと球を集めるのに対し、山川選手は4球程度をゆっくりと拾うだけで、進んでやっている感じではなかったですが……」(同前)
野球への情熱が冷めやらぬ一方、現状への不満が垣間見える態度だったが、煮え切らないのは球団も同じだというのは、西武の番記者だ。
「山川はMVPを獲得したこともある、チームの最大の功労者。それだけに、西武としては『なんとかチームに残したい』というのが本音でしょう。
本来なら無期自宅謹慎処分としてもおかしくないのに、三軍に落としてまで球団施設を使わせているのが、いまだ切り捨てていない証拠です」
一方、西武はコンプライアンスに厳しい球団としても知られている。これまでにも、不祥事を起こした選手を解雇したり、トレードに出したりしたケースは少なくない。
「山川も、起訴となれば解雇は免れないと思います。不起訴でも、今季いっぱいは謹慎処分、その後は世間の反応を窺いつつ、復帰かトレードかを決めるのでしょう」(同前)
現状、山川は解雇も言い渡されず、三軍で “球拾い生活” だ。球団関係者によれば、この “生殺し” 状態にやきもきしているのが、選手会だという。
「じつは、選手会から球団に対して、山川の処分をどのようにするのか、事情を聞きたいと申し出る動きがあるようです。確かに山川の件は、在宅で捜査を受けており、起訴か不起訴かについての検察の判断は、期限がありません。
とはいえ、現在の山川のように処分の方針もわからないまま放置されるというケースが一度起こると、今後、ほかの選手にも同様の措置を取られる可能性がある。
正直、山川の解雇は確定的というのが大方の見方です。であれば、とっとと処分を決めてほしいというのが、選手会としても本音でしょうね」
一軍復帰かトレードか、はたまた起訴か……いずれにせよ、山川が西武ドームで “球拾い” をする日々は、まだ続きそうだ。
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