いま全米がもっとも注目しているニュースといえば、ハリウッド俳優であるジョニー・デップと、元妻で同じく俳優のアンバー・ハードによる名誉毀損裁判の行方だろう。
「2018年12月、ハードさんは名前こそ出さなかったものの、デップさんに家庭内暴力を振るわれていたことを告白しました。2019年3月、デップさんはこれについて名誉毀損だとして、5000万ドル(約65億円)の損害賠償を求め、ハードさんを提訴。ハードさんも、デップさんに嘘つき呼ばわりされたとして、1億ドル(約130億円)の賠償を求めて反訴しました。
その裁判が現地時間4月11日から始まったのですが、両者とも『自分が暴力を振るわれていた』という主張を繰り返しており、裁判は泥沼化をたどるいっぽうです」(現地ジャーナリスト)
4日間にわたる証言を4月末に終えたデップ。5月5日、証言台に立ったのはハードだった。ロイター通信によると、ハードは「2015年に割れた酒瓶を突きつけられて脅された挙句、性的暴行を受けた」と、涙ながらに証言したという。
「しかし、これまでの裁判の中では、ハードさんの嘘も発覚しています。『顔のあざを隠すためにいつもカバンに入れていた』という主張に用いられたコスメグッズは、当時は発売されていないものでした。
裁判の結果がどうなるにせよ、この騒動を通じて彼らが俳優として失ったものはあまりにも大きく、“誰も幸せにならない”と話題になっています」(前出・現地ジャーナリスト)
デップの代表作といえば、日本でも人気を博した『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズだろう。主人公であるジャック・スパロウを演じ続けてきたデップ。デップ側は裁判で、「ハードによる“嘘の告発”によって、同シリーズを降板することになった」とも主張している。
「デップさんは過去に、イギリスのタブロイド紙『The Sun』が、彼を『DV男』と呼んだことについても、名誉毀損の訴訟を起こしています。しかし、この裁判ではデップさんは敗訴してしまいました。
その際、過去2作に出演していた映画『ファンタスティック・ビースト』も降板に。最新作では、デップさんが演じていたグリンデルバルドを、マッツ・ミケルセンさんが演じています」(映画誌ライター)
俳優としての機会を失ったのは、ハードも同様のようだ。
「ハードさんは、映画『アクアマン』シリーズでヒロインを演じています。2023年には最新作が公開されるのですが、ハードさんの出演時間は10分にも満たないということを、現地の映画ジャーナリストが報じているのです。
その背景には、ハードさんの映画降板を求める嘆願書の署名が200万人分も集まったことがあるそう。デップさんのファンからすれば『嘘の告発で、彼の俳優人生を台なしにされた』といったところでしょう」(前出・映画誌ライター)
お互いのキャリアに大ダメージを与えているこの裁判。どのような決着になるのだろうか――。
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