7月20日、政府が開いた経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)で、民間議員は、政府による物価高対策を段階的に縮小・廃止するよう提言した。
民間議員は、賃上げや輸入物価が下落傾向にあることを背景に、2022年1月から始まったガソリン価格を抑制するための補助金や、2023年1月から始まった電気・ガス料金の負担軽減など政府の対策について、「物価高の影響を強く受ける低所得者・地域などに絞ってきめ細かく支援すべき」とした。
「実際、資源エネルギー庁が20日に発表した全国のレギュラーガソリンの平均価格(18日時点、1リットルあたり)は、前週比0.7円高の174.0円で9週連続の値上がりとなっています。
また、総務省が21日に発表した6月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品をのぞいた指数で、前年同月比3.3%上昇。上昇は22カ月連続となり、明らかに物価高騰は収まっていません。
政府の物価高対策は9月末に期限が切れるため、今後はさらなる負担増となる見込みで、延長を求める声も出ています。岸田首相は会議で『国民目線に立った対応を進める』と述べましたが、実際にどうなるかは判然としません」(経済担当記者)
経済財政諮問会議で物価高対策の段階的な縮小、廃止が提言されたことに、SNSでは批判的な声が多く上がった。
《日本の物価高は終わっていないし、「物価上昇に負けない賃上げ」は実現していない。今から緊縮とか、頭がおかしいと言わざるを得ない》
《物価高対策が縮小、廃止ですってこの先生きていくの不安なんですけど》
《「国民は死に絶えろ」と言ってます》
一方、6月末に岸田首相に提出された政府税制調査会の中期答申では、国の一般会計歳出の40%しか税収でまかなえていないことを指摘したうえで、租税の3原則である「公平・中立・簡素」に並んで「十分性」も重視するよう求めている。
給与所得控除について、給与収入総額の3割程度が控除されているとして、「相当手厚い仕組み」と指摘。退職金控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険控除などの見直しが盛り込まれた。
「答申では、『非課税所得』について “意義が薄れているものは再検討が必要” とし、通勤手当、失業手当、遺族年金、奨学金、少額投資への非課税を売りにしたNISAの配当などを参考例としてあげています。
これは『注意深く検討する必要があります』としているので、即座に増税されるわけではありませんが、今後、増税ターゲットになる可能性は十分あります」(同)
SNSでは、失業手当や奨学金、さらにこれから拡充されるNISAまで想定していることに、批判的な声が多くあがっている。
《奨学金や失業手当にも課税なんて、ほんと世も末。この流れ断ち切らないと、知らん間にどんどん課税される未来しか見えない》
《どこまで弱者イジメをすれば気が済むのでしょうか。むしり取れるだけ課税しまくり、税収は過去最高を更新しているのに、なぜ国民に還元されず、私たちの生活は全然豊かにならないのでしょうか》
《いやいや、この前に積立NISAの口座を作ったばっかよ? NISAとかの小口投資は非課税だって聞いたのに!!》
《まじで国に殺される…》
「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏は、7月20日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《・通勤手当に課税→定期代赤字で通勤しろ
・給付型奨学金に課税→貧乏人は勉強するな
・失業給付や遺族年金に課税→失業者も遺族も甘えるな
ここ最近毎日増税関係のニュースを目にするけど、言いたいことって↑こういうことでしょ?そのうち呼吸税とか歩行税まで導入されそうで笑えないよ。》
2022年度の国の税収は71兆円台で、3年連続の更新となった。それなのに、物価高対策の縮小・廃止や、さらなる増税が俎上に載るようでは、《「国民は死に絶えろ」と言ってます》と解釈されても仕方がない。
外部リンク