まさかの敗戦だった――。
2月3日におこなわれたアジアカップの準々決勝。サムライブルーは、イランに1対2の逆転負けを喫した。敗因のひとつは、日本の攻撃陣に“槍”が欠けていたからだ。「週刊新潮」が報じた性加害疑惑で代表を離脱した、伊東純也(30)のことだ。
「被害を訴えるA子さんとB子さんは告訴状を提出し、受理されました。一方、伊東側は2人の告訴が虚偽にあたるとして逆告訴しています。
日本サッカー協会は当初、事の重大さと、伊東の精神的疲弊から、一度は代表チームからの離脱を発表しました。ところが、選手側から『我々の声も聞いてほしい。最後まで一緒に戦いたい』という声が噴出し、大会に同行した山本昌邦ナショナルチームダイレクターが離脱を撤回しました。
しかし、今度はJFAの公式スポンサーや、中継するテレビ朝日から“待った”がかかったわけです。結局、伊東は離脱することになりました」(サッカーライター)
その後、伊東は日本に帰国せずに所属チームのスタッド・ランスに合流。6日(現地時間)には、チーム練習に参加したことをクラブの公式X(旧Twitter)が発表した。
「スタッド・ランスは1日、『現在に至るまで、クラブは選手との連帯を示している』と発表しており、11日のアウェーのロリアン戦ではフル出場し、0-2で敗れましたが、伊東は復帰以前と変わらぬプレーで観客を魅了しました」(同前)
早速、実戦復帰を果たした伊東だが、ピッチ外の様子について「報道直後よりは、電話の声が明るくなりました」と語るのは、同事件で伊東の代理人を務める加藤博太郎弁護士だ。
「毎日連絡を取り合っていますよ。『チームメイトがふだんと変わらず接してくれた』と言っていたので、そのおかげで気持ちが前向きになれたのでしょう。チームから、事件についての正式な問い合わせや調査協力の要請は、現時点ではありません。あれば迅速に対応する準備はできています」(加藤弁護士)
スポンサーやテレビ局の意向で代表を外された伊東。なぜ、フランスの名門チームには“許された”のだろうか。
「クラブが『伊東の人間的資質と行動が、疑問視されることはありませんでした』と発表したとおり、素行に問題はないし、伊東のおこなった説明も、クラブにとって十分納得できるものだったのでしょう。こうした性加害のトラブルは過去にも多くありました。
クリスチアーノ・ロナウドやネイマールは性加害で告訴されたことがありますが、その間もプレーしていました(その後両者とも不起訴)。一方、プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティのバンジャマン・メンディは、性的暴行容疑で逮捕され、その後無罪を勝ち取ったものの、裁判中は出場停止という処分を受けました。結局、ケースバイケースです。
スタッド・ランスは、1911年に創立された歴史ある古豪ですが、この数年は優勝争いに絡めていません。伊東は戦力的にも、日本人へのマーケティングという意味でも欠かせない存在。実際に起訴されない限り、状況は変わらないでしょう。一方、日本代表については離脱という“前例”ができてしまったため、6月のW杯予選には招集されない可能性が高いです」(前出・サッカーライター)
兎にも角にも、一刻も早く白黒つける必要がある。前出の加藤弁護士はこう語る。
「警察には、虚偽告訴罪はもちろん、女性が告訴した準強制性交等罪についても、迅速に捜査を進めてほしいと要望しています。一刻も早く、伊東氏が責めを負うべき事件はなかったことを確定させるのが、職務だと考えているからです。一部では、代理人である私がこうしてメディアの取材を受けることについてお叱りの声もあります。
たしかに、捜査に支障をきたさないよう、沈黙を守るのが大原則。しかし、今回のケースでは、警察の捜査が進まないと、報道の影響で“クロ”思われてしまう。伊東氏の名誉をいち早く回復するためにこうしてお話ししています」
さらに、今後の捜査に備えた“新証拠”もあるという。
「事件があったとされる夜に、伊東氏と専属トレーナー、そして女性2人や当時の担当マネージャーX氏らが、それぞれどのような行動を取っていたかを証明できる記録媒体が、既出のもの以外にも複数あります。ここで詳しくはお伝えできませんが、すでに警察に提出しています」
伊東側には、まだ“控え”がいる――。捜査の進展を待つばかりだ。
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