「勤務先は小さなレンタルオフィスです。夕方になると、社長がデスクに向かう私の後ろから肩を揉むんです。『今日もありがとう』とか言いながら。それからだんだん、手が胸のほうに降りてきて……」
「パパ活向けのマッチングサービスを運営していたのですが、男性利用者へのアンケートで “秘書” の需要があることがわかったのです。つまり、時に仕事のパートナーであり、時に恋人のような関係になれる相手です。特に、小規模な会社を経営する社長さんは、常駐する部下がおらず、就業時間に寂しい思いをしている方が多いんです。運用開始から1カ月で、男女とも1000人を超える登録者がいます」
「パパ活で暮らしているなんて周囲に言えないし、たいていのパパ活女子は、会社員に憧れがあるんです。なんら法的な雇用契約がないとしても、秘書と名乗れるのは魅力的。しかも “秘書活” の場合、毎月お手当をもらえるのが通例なので、会うたびに数万円もらう通常のパパ活よりも、経済的に安定します」(パパ活事情に詳しいスカウト会社経営者・佐々木蔵太郎氏)
「コロナ禍の影響で、大手企業の部長など、大口の “パパ” たちが消えていきました。さすがにまずいと思い、昼職を探そうとしたときにマッチングサービスの『秘書活』を知ったんです。私の “社長” は、50歳代で都内に複数の自社ビルを持つ不動産会社のオーナー社長です。ビルの管理も社長自身でおこなうので、ほとんど個人事業主ですね」
「午後に出社して、17時に退社です(笑)。仕事は伝票整理やオフィスの掃除ぐらい。 “セクハラ” が始まったら、そのままホテルに行く感じです」
「パパ活経験はほんの数回しかありませんでした。お店の常連客に、とあるグループLINEに誘われたのがきっかけです。そこでは頻繁にパパ活をする女性を募る投稿があったのですが、 “秘書” を募集するものもあったんです」
「じつは、最初はバリバリ仕事をする気だったんです。デジタル広告の会社だと聞いて行ってみると、ワンルームのオフィスでゲームをする社長が一人だけ。広告を自動でニュースサイトに流す仕事で、暇なんだそうです」
「隣に座らせて手を膝に乗せ、『これが夢だったんだ』と真顔で言うので、引きました」
「出勤のたびにオフィスで迫られるので、嫌になってきました。3カ月で契約を更新できるので、もう少しまともな “仕事” をさせてもらえる社長の秘書になろうと思います」
「秘書というと、すぐに肉体関係を疑う方がいるんですよ。でも私は、雇用契約を結んでいます。取引先では勘違いされないように、わざわざ『マーケティングアシスタント』と名乗ったりします。根底には女性蔑視もあるのでしょう。こういう風潮は、いい迷惑です」