岸田文雄首相は、12月5日、経済3団体の新年祝賀会に出席し、「次世代を担う子育て、若者世代の世帯所得に焦点を絞って、倍増を可能とするような制度改革にも取り組んでいく」と宣言した。
経済界に対しても「賃上げに攻めの姿勢でご協力いただけるようお願いする」と要請。新年早々、「所得倍増」に向けた意欲をアピールした。
岸田首相が所得倍増に言及したのは、これが初めてではない。2021年9月におこなわれた自民党総裁選では、令和版「所得倍増計画」を提言。国民全体の所得を引き上げることが「私の公約」と言い切った。
しかし、首相就任後の所信表明演説では触れることなく、10月の総選挙の公約にも上がらず、いっときは “封印” されたようだった。
「もともと『所得倍増計画』とは、高度経済成長期の1960年に当時の池田勇人内閣が打ち出したもの。岸田首相はそれにならい、『令和版』と銘打って計画を掲げたのでしょう。
ただ、2021年9月、『ダイヤモンド』編集部のインタビューでは『所得を「2倍」にするのは、現実的とはいえません。ただ、「倍増」というメッセージを打ち出すことで、企業や国民の意識を変えていきたい』と実際の考えを明かしています。
当時の山際大志郎・経済再生担当相も『文字どおりの所得倍増を指し示しているものではない』との認識を示しており、『倍増』からどんどんトーンダウンしている状況です。
いつまでに、どの程度の成果を出すのかといった具体的な話は、一向に出てきません。そこにきて、また『所得倍増』を宣言しても、国民もついていかないのでは」(政治ジャーナリスト)
実際に、SNS上では岸田首相の「所得倍増」宣言へ、冷めた目を向ける人々が後を絶たない。
《するわけないじゃん! やったとしても条件付きで、倍増とはならない》
《倍増とか無理やろ。 出来ないのに言わないで》
《倍増とは2倍という意味ではないらしいからな》
《そうそう みんな だまされないと思うよ》
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