「とくに消費することもないので、今のところは貯まっていく一方です(笑)」
2021年11月15日、帰国した大谷翔平(28)が日本記者クラブで会見に臨んだ際、稼いだお金の使い道を聞かれたときの答えだ。
当時、年俸550万ドル(約8億1000万円)の大谷には、浪費のイメージは皆無。渡米後の大きな買い物は、愛車のテスラくらい。たしかに、約2000万円の高級車だが、若き富豪には身の丈といえる。
大谷の来季の年俸は、3000万ドル(約44億円)に跳ね上がった。加えて、米リサーチ会社「スポンサー・ユナイテッド」によれば、大谷は17社とスポンサー契約し、これまでMLBで過去最多だったヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)の13社を超えたという。総額は同最高額の推定2000万ドル(約29億5千万円)。総年収は75億円を超えるかもしれない。
その大谷が、ついに動いた。ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ(46)とローリー・マキロイ(33)が8月に共同設立した「TMRWスポーツ」の初期出資メンバー26人のなかに、大谷が名を連ねているのだ。
同社は、ゴルフのPGAツアーと提携してゴルフリーグ「TGL」を発足させるなど、テクノロジーを使ってスポーツをさらに身近なものにすることを目指すベンチャー企業だ。TGLでは、バーチャルコースなどを使ったチーム対抗戦がゴールデンタイムで生中継されるという。
出資メンバーがまたすごい。NBAからは史上最高年俸額約52億円のシューター、ステフィン・カリー(34)。さらに、F1で優勝103回を誇るルイス・ハミルトン(37)。テニス界からは、4大大会23回優勝のセリーナ・ウィリアムズ(41)など、各界のビッグスターが勢揃いだ。
錚々たる顔ぶれのなかに大谷がいる意味を、MLB評論家の福島良一氏が解説する。
「米社会で大谷が認められているということです。米4大スポーツのなかで、野球は飛び抜けた存在ではなくなりましたが、それでも大谷は100年に一人の逸材で、他競技の選手からも尊敬されています」
また、有名アスリートが投資に乗り出すことは、昨今の潮流でもあるという。10月には、サッカーのリオネル・メッシ(35)も投資会社「Play Time」を設立した。
「金銭面のみならず、認知度向上のメリットがあることも、投資する選手が多くなった要因でしょう」(福島氏)
ただし、注意すべき点は多いと、米国の広告代理店社員が語る。
「MLBでは、年俸が5年から20年かけて支払われます。米国は平均インフレ率が6%程度。つまり、未払いの報酬は、毎年6%ずつ目減りする。なので、選手は投資をすすめられることが多いのです。おそらく大谷の投資額は100万ドル程度でしょう。 かつては、通算216勝の大投手、カート・シリング氏のように投資で100億円近くを失ったり、友人などに投資に誘われて破産する事例が頻発したため、今は球団がコンサルタントを通じ、選手に助言したりしています」
投資は初心者の大谷だが、「TMRW」は大物が賛同しているので、成功の可能性は高い。
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