3月4日、日産自動車が下請けの部品メーカーに対し減額を強要し、公正取引委員会が勧告をおこなう方針だと、多数メディアが報じている。
日産は数年前からタイヤホイールなどの部品を製造する30社以上の下請けに対し、支払い分の数%の減額を強要。減額率は日産が決め、10億円以上を減額された社もあったとされる。減額の総額は30億円に上り、下請法施行以来、最高額になる。
立場が弱くなることが多い下請業者を守るために制定された「下請法」では、一度決めた下請代金の額を、下請事業者側に問題がないのに減額することを禁じている。その「減額」にはリベートや協賛金、コストダウン、協力費などの名目で実質的に下請代金を減額することも含まれる。
日産は下請法の違反を認め、すでに下請け業者に減額分を支払っているという。
SNSでは、
《中小企業の賃上げが叫ばれている中、逆行する日産?中小企業はいつになっても賃上げなんて無理だろう。酷いぞ日産!!》
《こういう大会社がはびこるから中小企業は給与を上げられないんですよ、日産さん》
《日産だけじゃないよね、いわゆる大手と呼ばれる企業は大体やってるよ、値段取り決める時に大抵下請けの要望は聞かず無理難題な金額提示とか当たり前 まずそこから変えないと中小の賃上げなんて企業努力じゃ無理、政治は現場が見えてない》
など、怒りの声が渦巻いている。
公正取引委員会の資料によると、2022年度の下請法違反による指導件数は8665件で過去最高。勧告をおこなったのは6件だった。また公取委の相談窓口に寄せられた相談件数は、下請法に関するものが1万4003件、優越的地位の濫用に関するものが2098件で、急増している。
「こうした下請け業者いじめは、自動車製造業界の “慣習” ではないかという指摘があります。最近も、カーエアコンメーカーの『サンデン』が、自社の金型を下請け業者に長期保管させていたことで、2月28日に公取委から勧告を受けたばかりです。
2021年にはマツダが、下請業者から『手数料』などの名目で約5100万円を徴収したことで、公取委に勧告を受けています。
またトヨタグループのデンソーや豊田自動織機も、コストが上昇しているにもかかわらず、下請との取引価格に適切に転嫁しなかった “下請けいじめ” があったとして、2022年12月に公取委から社名が公表されています」(週刊誌記者)
3月4日、日経平均株価が4万円を超えたと、経済ニュースは大騒ぎだが、
《平均株価が上がろうが大企業が中小企業に対してこれじゃ、日本の景気も賃金も上がらないのは明白》
と冷めた声が少なくないのも、当然だろう。
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