6日、関東甲信越地方が梅雨入りしたと、気象庁が発表した。じめついた嫌な季節でも、笑顔で天気予報を伝えてくれる “癒やしの存在” が各番組で活躍するお天気キャスターだ。今年4月、オリコンの “好きなお天気キャスター” 1位に輝いていた貴島明日香が『ZIP!』を卒業したことは記憶に新しいが、すでに次のスターが発掘されつつある。
「専門的な知識が必要とされる職業ですが、売出し中のタレントが起用されることも多く、番組に華を添える存在でもあるのがお天気キャスターの特徴です。テレビ業界でも常に “次の売れっ子” を探して、触手を伸ばしています」
こう大手広告代理店関係者が語るように、お天気キャスターのニューフェイス探しが水面下でおこなわれている。そこで今回、本誌は大手広告代理店が今春おこなった「好きなお天気キャスター」のアンケート結果を入手した。全国の視聴者3000名が選んだ「好きなお天気お姉さん」をランキング形式で発表する。
圧倒的な得票数で1位となった嶺百花は、現役の青山学院大学生。アナウンススクールに通って局アナを目指していたというが、『THE TIME,』のお天気コーナーへの出演が決まったためアナウンサー試験を見送り、学生キャスターとして活動を始めた。
「関東地方担当なのに、全国からまんべんなく票を得ているのは驚異的です。貴島さんに代わって “お天気キャスターのエース” に躍り出ました。番組MCの安住紳一郎アナや香川照之さんからもかわいがられているそうです」(前出・大手広告代理店関係者、以下同)
視聴者からも「早起きで眠くても、嶺さんの笑顔で眠気も吹き飛ぶ」「天真爛漫を絵に描いたような笑顔に癒やされる」などと、すでにハートをわし掴みにされている様子。さらに「これからしばらくは、お天気キャスターとしてTBSを支えることになりそう」と、将来の活躍を期待されているようだ。
2位はインスタグラムのフォロワー数が25万人を超え、今年1月にはフォトエッセイ『ブルーモーメント』を発売した檜山沙耶。
「出演しているのはネット配信の『ウェザーニュースLiVE』のみで、地上波での出演がないのにこの人気とは驚きました。彼女見たさに『ウェザーニュース』チャンネルを登録するファンが続出しています。コスプレが趣味と明かしており、アニメファンからも支持が厚いようです」
実際に視聴者からも「インスタグラムにアップされたコスプレ画像を保存してる」「ネット世代の僕らの女神」と、熱烈な声が多い。16位の駒木結衣とは同期で仲がよく、「檜山さんも駒木さんもコンビで好き」との声も。
3位の友廣南実は、すでに気象予報士の資格を取得。昨年のミスキャンパス同志社でグランプリに輝いた才媛でアナウンサー志望だ。「将来、東京に進出するのは避けたい」と関西地方の視聴者から声が上がるように、現在出演中の朝日放送にそのまま入社するかどうか、今から注目が集まっている。
4位の村上なつみは、法政大学在学中。高校2年から気象予報士を目指し、受験6回めで合格した努力家だ。ヤクルトスワローズファンを公言しており、視聴者からは「ヤクルトファンの間ではアイドル的存在」との声も。
5位の谷尻萌と、7位の林佑香はともに、人気キャスターを輩出してきた『めざましテレビ』(フジテレビ系)のお天気担当だ。
「谷尻さんは同志社大学在学中から活躍していたので、そのまま局アナになると思っていましたが、卒業後の進路は意外にもお天気キャスター。林さんは4月から8代目のお天気キャスターに就任したばかりなので、期待しています」
視聴者からは「週末にお天気を伝えてくれる谷尻さんの “あらいぐま顔” に癒やされてます」「これまで『めざまし』のお天気キャスターは個性的な人が多かったので林さんはちょうどいい」と高評価だ。
人気が集まるのは若手ばかりではない。30代で6位に入った久保井朝美、8位の眞家泉にはともに視聴者から、夜の番組のお天気キャスターならではの、こんな声が集まった。
「朝の番組は若いお天気お姉さんばかりなので、夜は久保井さんがちょうどいい」「夜は、眞家さんのような落ち着いたタイプのキャスターがぴったり」と、 “夜の癒やし” となっているようだ。
9位の高安奈緒子は「『ウェザーニュース』でアイドル的な人気を得たお天気キャスターの先駆け的な存在。2020年に結婚した際には、多くのファンを残念がらせました」。視聴者からも「結婚前、旧姓の『角田』で出演していたころから彼女目当てで『ウェザーニュース』ばかり見てた」「独身だったらもっと人気が出たはず」という正直な声が。
10位の山下佳織は、慶應義塾大学生で2020年3月に気象予報士に合格。「落ち着きがあって実直そうなので、伝える予報も不思議と信頼できます」と、視聴者から高評価だ。
11位の晴山紋音、12位の近藤奈央、15位の片山美紀はNHKに出演中。
「片山さんの出演番組は首都圏のみの放送ですが、晴山さん、近藤さんは全国放送。さすがに知名度も高く強いですね」
逆に地方局のみの出演ながら、14位にランクインしたのが水谷花那子だ。
広告代理店関係者も「この順位は大健闘でしょう。愛媛県内の視聴者からの支持率だけでいえば、ほとんどが1位票で圧倒的でした」と言うだけあって、「水谷さんの出番に間に合うように毎晩帰宅を急ぎます」と、地元人気は熱烈だ。
個性的なキャラで人気なのが、13位の奈良岡希実子だ。
「ほかのキャスターよりも前に出るタイプですが、それが関西ではウケているようです」
視聴者からも「がっついている感じがむしろいい」「じゃじゃ馬的な個性はもっと人気が出ていいと思う」と、キャラが支持されているようだ。
『ウェザーニュースLiVE』視聴者のファンも多い18位の大島璃音には「まだ新人で荒削りだけど、そこが魅力」と、 “大型新人” としての期待が高く、32位の松雪彩花には「結婚して以降、個人的にはずっとロスが続いている」「きれいさが群を抜いている」と根強いファンが多い。
アンケート結果を見て「お天気キャスターの立ち位置が変わってきた」と、大手広告代理店関係者は総括する。
「これまでお天気キャスターは “番組のスパイス” 的な存在で、『めざましテレビ』のお天気担当からキャスターに転身した皆藤愛子さんのような例もあり、 “次のステップのため” と割り切る人も多かった。私たちも、ルックスを重視してスター候補を探してきました。ところが近年は、学生キャスターでも気象予報士の資格を取得している人が多い。これは彼女たちにとって、お天気キャスターという仕事自体が魅力的になっている証拠です。まだ資格は取っていませんが、今回1位に輝いた嶺さんが、局アナからお天気キャスターに進路を変えたことがいい例でしょう」
梅雨前線の動きもさることながら、ニューヒロインたちの “晴れ舞台” からも目が離せない。
※北海道・東北・関東甲信越・首都圏・東海・北陸・近畿・中国・四国・九州沖縄の10ブロックでインターネットによる男女300人、計3000人の視聴者の投票結果を集計した。好きなお天気キャスターを3人挙げてもらい、1位=3ポイント、2位=2ポイント、3位=1ポイントで集計した