フランス研修の様子をSNSに投稿し、「ただの観光旅行だったのではないか」などと炎上している問題について、自民党・松川るい参院議員は、8月1日、党本部で「軽率だったと反省しています」と謝罪した。小渕優子組織運動本部長から注意を受けたとも明かした。
宏池会に属する自民党中堅議員は、松川議員の対応に、こうあきれ返る。
「小渕議員の名前を出したのは、幹部に叱責されたことで、『処分は受けたからこれで幕引きにする』と言いたいわけです。でも、松川議員と小渕議員はもともと親しい飲み仲間ですから、注意がどこまで本当なのかわかりません。それに、小渕議員には、本来、党の処分を下す権限がありません」
松川議員は「研修自体は有意義だった」と述べ、エッフェル塔の前で撮った記念写真を削除したことについては、「誤解されてはいけないし、本意ではない」と、あくまで「誤解されないこと」を理由にしている。
しかし、本誌は、まだ松川議員が語っていない研修の実態をキャッチした。じつは、松川議員は次女をフランスに同行させていたというのだ。
「研修に参加した今井絵理子議員のSNSにも次女は写っていて、その写真も現在は削除されています。松川議員の “公務中” は、次女をホテルに一人で残すわけにもいかないので、日本大使館に預けられていました」(外務省関係者)
本誌は、別の家族写真で、今井議員が投稿した写真の少女が、松川議員の次女であることを確認している。
さらに、このフランス研修では、まだ登場していない彼女の家族の存在がある。前出・外務省関係者が、松川議員の “家族旅行” の裏側をこう明かす。
「松川議員も外務省出身ですが、ご主人の新居雄輔さんは国際情報統括官という局長級の手前にいる幹部です。今回の研修では、日本大使館が世話をするように、指示が出ています。
30人以上の世話は大使館にとっておおごとですし、『そのうえ子供の世話までさせるのか』と不満は出たようですが、議員と幹部の家族ですから、仕方ないとなったようです」
外務省幹部の手前、いち議員の子供の世話までしたという大使館。政治アナリストの伊藤淳夫氏は、「党の研修旅行に家族を同行させるなんて聞いたことがない」として、こう憤る。
「松川議員は自己負担に加え、党費から出したと主張していますが、党費と政党助成金の収入割合は3対7くらいで、そもそも資金報告書にも収入としてまとめられているので、助成金(税金)をまったく使っていないというのは、ちょっと苦しいと思います。
松川議員も家族ぶんは自費でしょうが、たとえば民間企業の出張で、費用を出して家族を同伴させることが認められるんでしょうか」
海外の場合、ホテルの宿泊費は何人泊まっても同額の室料である場合が多い。仮に松川議員が次女と一部屋を使ったなら、費用分担をどうしたのか、これひとつだけでも再度の説明が必要になるだろう。先の自民党中堅議員もこう語る。
「報告を受けた岸田首相は無反応だったようです。まあ、欧米訪問時、秘書官だった息子さんが公用車で観光していたことを蒸し返されるのを案じたんでしょう。
いずれにせよ、松川議員は大ポカです。じつは松川議員は次の総選挙で衆院への鞍替えを狙っているという話もありました。ですが、今回の炎上で、状況は相当苦しくなりました」
本誌は、松川議員に、今回の研修旅行に次女が同行していた事実や、自腹と党費の負担の内訳等について質問した。回答は以下だ。
「今般の幼児教育や少子化対策についての意見交換などを目的とした研修については、育児中で預けることが困難な子どもがいる女性議員の参加も可能となるように、子どもの参加も認めることとしました。なお、研修の経費については、全額自己負担としています」
いまだ非難が冷めやらぬフランス研修問題。松川議員にとっては、図らずもよい “研修” となったようだ。
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