4月24日、京都府舞鶴市の路上で指の一部が見つかった事件。その意外な顛末に、ネットが沸き立っている。
指が発見されたのは、24日の午後4時過ぎ。第1関節から先の、約2cmの指先が路上に落ちているのを、小学生が見つけた。このことが翌25日に報じられると、SNSでは《暴力団抗争?》など、多くの推測が飛び交った。
しかし、25日夜になって事件は急展開。指は、舞鶴市に住む60代の男性配達員のものであることが判明した。警察によると、男性は「配達中に、車のスライドドアに指を挟み怪我をしたが、そのまま配達を続けた。病院には行っていない」と話しているという。
この驚愕の事実に対し、SNSでは
《なんとも痛ましい。指を切断する大怪我でも仕事を続けなければならない所に闇感が。。》
《警察も事件性無しと判断したというニュースだけど、指を切断しても仕事を続けなくちゃいけない労働環境は明らかに異常じゃない?!》
《指が無くなったのに病院に行かずに配達続けるの、日本の配達時間に対するシビアさを物語る闇深さを感じる》
といった、厳しい職場環境を想像する声が多数あがった。なかには
《私も配達中に指挟んだこと2回くらいある。配達を優先してしまう精神状態はわかるなぁ…。異常よね…》
《配達員が指落としてでも病院に行けない理由は、自分が突然現場抜けることでそこを埋める人手がいないから。それだけ配送業は人手が足りてません。ただでさえ荷物溢れてるのに、仮に配達を中断して配達が遅れれば大量の時間指定に遅れ客からクレームの連絡が来ます》
など、配達業務の経験者と思われる人からの、同情の声もある。
くしくも4月14日、日本郵便は「集配関係委託契約に関する協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組について」と題する文書を発表。郵便物やゆうパックなどの配達・集荷などを委託する下請け業者から値上げの要請があったものの、それに対し不適切な対応があった――などの内容だ。ほかにも、下請けに営業用物品を無償で配達させるなど、問題行為もあったとしている。
4月24日配信の「東洋経済オンライン」では、「ゆうパックの『下請けたたき』値上げ拒否の代償」との記事を掲載。下請け運送会社幹部の《委託料が安いのに1人当たりが運ぶ荷物量は多い。もう2度とやりたくない》というコメントを掲載している。
注文すれば、あっという間に品物が届く――それを当たり前だと思っている我々だが、いま一度、考えなおす時期なのかもしれない。
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