7月29日、コロナ禍によって中止が続いていた、隅田川花火大会が4年ぶりに開催された。花火を近場で一目見ようと、会場周辺に集まったのは103万人あまりと、大会実行委員会が発表している。
台東区立隅田公園には、いい場所で花火を見るべく、昼過ぎから場所取りをする人も多くいた。この日の東京の最高気温は35.7度。強い日差しで、肌がひりつくような感覚も覚えた。
そんななか、とくに女性陣の場所取り組で目立ったのは、浴衣姿だ。半袖・半ズボンの男性が多いなか、浴衣姿は暑くないのだろうか……。それでもこの服装を選んだ女子たちの「花火熱」は高かった。カップルで場所取りをしていた、20代女性は汗を浮かべてこう話した。
「暑いです(笑)。でも、上京後、コロナが流行していろんなイベントが中止になって……。花火大会もなくなって、浴衣を着る機会もぜんぜんなかったので、彼と、浴衣にすることに決めました。今日は11時ごろからここで場所をとっています。ハンディ扇風機と汗拭きシートで、なんとか暑さ対策をしています」
栃木県内の自宅から始発に乗ってきたというのは、高校3年生の女子2人だ。白のレース状の浴衣を、おそろいで着ていた。
「中学の同級生同士で、自宅で着つけしてきました。(浴衣の値段は)ネットで3000円くらいです。暑いですけど、楽しみにしてきました。ただ、終わった後が問題で、9時半の終電に間に合うようにがんばります(笑)」
10代だという2人組の女子たちは、レジャーシートもなく浴衣で地面に座り込んで、場所取りをしていた。
「レジャーシート、買うの忘れちゃって(笑)。でも、いま買おうとしてもないし、まあいっか、と地面に座ってます。暑さ対策はハンディ扇風機ですね。この浴衣はネットで買いました。ちょっと暑いし、着つけも若干たいへんですけど、やっぱりモチベが上がるので外せません! 今日は、YouTubeで着つけ方を見て、自分で着てきました。髪の毛は美容室でしてもらって。14時ごろからここにいます」
YouTubeで着つけを学ぶとは……何ともZ世代らしいが、彼女らの世代でも浴衣人気は抜群のようだ。「私は友達に選んでもらって、彼女はお母さんとネットで、いろいろ物色したそうです」と、浴衣選びも楽しそうに語る。
50年前の7分の1にまで、着物市場は縮小したともいわれている。それでも、若者のハレの日にはまだまだ浴衣に「モチベが上がる!」という女子も多いようだ。
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