ここ最近、日本列島が揺れ続けている。
「3月25日から4月2日までの間に、6回も震度4クラスの大きな地震が起きています。場所も東北、北海道、千葉、京都と広範囲に及んでいる。異常事態ですよ」(社会部記者)
連発した地震の発生場所だが、本誌は「北陸・山陰M7級と南海トラフは連鎖する! 巨大『チェーン地震』MAP」という記事で、巨大地震の前兆として大型内陸地震が連鎖する「チェーン地震」の可能性を指摘していた。
専門家らが危険視する地域のうち、3カ所が先週の発生場所と合致している。しかし、本誌の指摘のうち、いまだ地震が発生していない地域がある。山陰、北陸地方だ。
京都大学の鎌田浩毅名誉教授は、次に危ない地域をこう指摘する。
「次は、山陰と北陸が危険だと考えています。詳細に言えば、石川から島根までの日本海側の全域、さらには、世界でも有数の活断層密集地帯である近畿三角帯で、震度7クラスの内陸地震が発生する危険がある。
古文書に基づく南海トラフの周期を見ると、私は南海トラフの発生は2030年代だと考えていますが、その前の40年程度、内陸地震が多発することがわかっています。
これが “チェーン地震” というわけです。1995年の阪神・淡路大震災は、その後に内陸地震が多発するきっかけになりました。
先週発生した地震でいうと、京都の近畿三角帯での地震は、1830年に起きた大地震と震源地が近い。そのときも、南海トラフの前兆としての内陸地震でしたから、今回の京都での地震などは、まさに “チェーン地震” の一環の内陸地震と考えてよいでしょう。
こうした地震は、南海トラフ本体の地震の危険性が高まるにつれて、これから増えていきます。“チェーン地震” に、よりいっそうの注意が必要なんです」
南海トラフを始めとする巨大地震は、プレート境界部の圧力によって引き起こされる。その圧力が高まる影響を受けて、内陸の活断層にもひずみが生じ、内陸地震が起こるのだ。
立命館大学の高橋学特任教授は、このひずみの動きが、いま日本海側で「異常事態」になっているという。
「現在は電子基準点が各地に設置されていて、地盤の歪みはすぐにわかりますが、じつは昨年の8月半ばから、列島の日本海側の地域で、急速なスピードで地盤が動いています。
すでに石川、能登半島では震度4クラスの地震が頻発している。これは、内陸直下型の大規模地震が発生する前段階といっていいでしょう。
実際、こうした内陸地震が起これば、阪神・淡路大震災クラスの地震になるでしょう。断層が地表に現われて、地面に数kmに及ぶ亀裂ができる可能性があります。そうした地震が、今すぐに起きてもおかしくない状況なのです」
南海トラフ地震が発生するまで、チェーン地震は続いていくーー。
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