大谷翔平"世界一のスイーパー"が狙われだした!人気のNHK"やさぐれ解説"武田一浩氏が見た"危険な兆候"
「NHKの解説というと、当たり障りのないことを言うイメージがあったんです。でも、それだとおもしろくないので『ハッキリ言ってやろう』と覚悟を決めて始めたのが2003年。21年めの今年、解説した試合は1128になりました」
「僕の解説に賛否両論あることは承知しています。でも、テレビの解説は反論が出てくるくらいのほうがいい、というのが僕の考え。局の方に『もう少し優しく言ってください』と怒られたこともありますよ。まあ、最近は僕もおとなしくなりましたが……」
「解説者になってから、落合博満さんに『投手出身だから打者のことは話せないだろう』と言われたことも大きいです」
「投手としては、少し疲れが見えることと、スライダーとスイーパーを狙われていることが気になります。自信があるので多用しているのでしょうが、投げる際に“抜け”てしまうと、遠くに飛ばされる危険性が高く、そこを狙われています。160km/hを超すストレートを持っているわけですから、速球を増やして配球を工夫すれば問題ありません」
「もし僕が対戦するなら、インコースの胸元に速球を使って意識させ、最後は外に落とすという配球をしますね。というのも、5月19日(現地時間、以下同)まで大谷は10本塁打ですが、そのうち9本は変化球。逆に、速球に対して振り遅れが目立っているんです。原因不明ですが、試合を重ねて慣れていけば十分、対応できるはずです。僕は投手で15勝以上、打者で30本塁打以上、打率も3割は可能だと思います。サイ・ヤング賞とMVPのダブル受賞は、十分に狙えますよ」
「米国って、采配が下手な監督が多いんですよ。エンゼルスもバントで送っていたら勝てた試合が、すでに何試合もある。MLBは、ポストシーズン進出に向けギリギリの争いが起きる9月になるまで、“1点を取る野球”をやりません。チャンスで打ってこそ米国式の野球です。文化だから仕方がないですね(笑)」
「プレーオフ進出がダメなら、出すしかないでしょう。僕はメッツに行ってほしい。バーランダーにシャーザーと、メジャーを代表する大投手に加え、千賀滉大(こうだい)もいる。打線もいいし、優勝が狙えますから」
「右打者の頭部すれすれにボールが行ってしまいますが、これは右投げの投手としては厳しい。テークバックの際、肘が上がらず腕が遅れて出てくる。しかも、頭を突っ込むからコントロールできない。もし僕が預かるなら、立ち姿も含めて、フォームを大胆に変えますね。このままじゃ本当に厳しいです」
写真・木村哲夫、日刊スポーツ/アフロ