西武ライオンズ・山川穂高が、文春オンラインに報じられた「強制わいせつ報道」の影響で、5月12日に出場選手登録を抹消された。球団広報は「総合的に判断して、コンディション的に」としているが、その言葉を額面どおりに受け取る人は少ない。
記事の内容は、2022年、20代女性に膣内や下半身から出血するケガをおわせ、警視庁から事情聴取を受けたとするもの。山川は文春の取材に対し、事情聴取を受けたことは認めつつ、「絶対に無理やりではない」と主張しているが、刑事事件で立件される可能性もあり、今後の成り行きが注目されている。
山川の件が大きく報じられていることで、少しホッとしているのが巨人・坂本勇人かもしれない。2022年9月、文春オンラインに中絶トラブルが報じられた坂本は、相手の女性をもの扱いするかのような態度が伝えられ、大騒動に。
坂本が相手女性に送ったとされる「けつあな確定」は坂本を揶揄する代名詞となったが、相手女性との示談が成立していることで、球団からの処分や本人の説明などないまま現在に至っている。
しかし、女性とのスキャンダルでキャリアを狂わせてしまったプロ野球選手は枚挙にいとまがない。ここでは、その後の選手生活に大きな影響を及ぼしたという意味で2つの事例を紹介したい。
2021年、相次ぐ女性スキャンダルで選手契約を解除され、最終的に、選手が契約解除を理由に球団を訴えるという球界初のケースとなったのが、元千葉ロッテマリーンズの清田育宏だ。
キャリアハイの成績を残した2015年、外野のレギュラーを獲得し、130試合に出場して打率.317、15本塁打をマーク。ベストナインとゴールデングラブ賞を受賞したこともあった清田。
妻子のいる身でありながら、2021年1月、自主トレ中にFRIDAYに不倫疑惑を報じられた清田は、無期限謹慎処分に。FRIDAYによれば、直撃を受けた際の清田は何度も天を仰ぎ、ため息をつきながら「マズい」「人生終わる」と繰り返していたという。
同年5月に謹慎処分は解除されたが、その直後、またも別の女性との不倫疑惑をFRIDAYに報じられ、球団から契約解除されてしまう。
度重なる不倫疑惑にくわえ、コロナ禍における不要不急の外出自粛を破ったことが問題視されての契約解除だが、清田はこれを不服として同年9月、球団を相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす泥沼展開に。
しかし、2022年2月、清田が訴訟を取り下げ、裁判外で球団と和解したことを自身のInstagramで発表。37歳となった清田は、現在、独立リーグ「埼玉武蔵ヒートベアーズ」の契約選手だ。
一方、謹慎処分は受けていないものの、世間に強いインパクトを残したのが、2008年7月に巨人の二岡智宏(現・巨人2軍監督)が山本モナと起こした不倫騒動だ。
当時、右ふくらはぎの肉離れで2軍調整中だった二岡が、山本と五反田のラブホテルに入っていくところを「女性セブン」に報じられると、二岡が妻子持ちだったことからスキャンダルに発展。
将来の幹部候補生と目され、ショートのレギュラーだった二岡は、その後、当時19歳の坂本勇人にレギュラーを奪われ、9月には再びケガで2軍落ち。そのまま1軍に復帰することなく、同年オフに北海道日本ハムファイターズにトレードで放出されている。
ちなみに、2人が入ったラブホテルが1泊9800円だったことから、巨人OBで、当時ソフトバンクの監督だった王貞治氏は「(プロ野球選手が)9800円のところに行くのは、いかんわな」と苦言を呈したことも話題となった。
不倫のあげく、契約解除あるいはトレードによる放出という大きな代償を払うことになった清田と二岡。もちろん両者のケースを、相手女性から被害届を出されている山川と同列に論ずることはできないが、山川もなんらかの代償を払うことになりそうだ。
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