5月30日、テレビ朝日の定例社長会見がおこなわれた。ジャニーズ事務所の前社長・ジャニー喜多川氏の性加害報道について、篠塚浩社長が見解を示したが、火に油を注ぐ事態となりつつある。
篠塚社長は「性加害は決して許されるものではない」としつつ、今後、事務所側の対応について「どういう形で実行されるか注視していく」と語った。テレビ朝日はジャニーズ所属のタレントが出演する番組を多く抱えているが、番組起用への変更はないという。
さらに、同局の情報番組『サンデーLIVE!!』で最年長の東山紀之が謝罪した件について、「私たちのほうから持ちかけた」と明かした。
「当社として、報道番組のニュースキャスターでありジャニーズ事務所に所属しているので、東山さんがコメントするのが自然ではないかと考えた」と述べ、「打ち合わせをしたうえで、あのようなコメントになった。基本的には東山さんの考え。基本的には “あうんの呼吸” だが、発言をするかしないかは、我々から相談している」とも語っている。
だが、こうなると引っかかるのが、東山の番組内での発言だ。
「5月21日、同番組で東山さんは『この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました』と語っていました。『news zero』(日本テレビ系)の櫻井翔さんや、そのほか情報番組に出演する “ジャニタレ” たちが言及を避けたことをフォローする意図があったのでしょう。
しかし、テレ朝から東山さんへ発言を持ちかけたとなると、『後輩たちに待ってもらう』と判断したのはいったい誰になるのか。理論上、テレ朝が日テレの番組作りに介入した可能性も出てきてしまいます」(芸能記者)
東京スポーツは、東山の「後輩たちに待ってもらっていた」発言について、ジャニーズ事務所には「各局報道番組に発言を控えるような要請や相談、働きかけを行った事実はあるか」、日本テレビ・テレビ朝日には「ジャニーズ事務所や東山から要請や相談、働きかけを受け、発言を控えさせるよう対応した事実はあるか」と質問状を送ったところ、3社とも真っ向から否定したと5月23日に報じている。
では、いったいどのような話し合いがおこなわれたのか。
テレ朝社長は、事務所による編集権への介入を疑う意見に対し、「編集権、編成権はわれわれにある」と宣言しているが、「私たちから持ちかけた」というコメントを鵜呑みにすると、あちこち辻褄が合わないことになってくる。
SNSでは、社長会見をうけ、さらに疑問を深める声が相次いでいる。
《火に油!! ヒガシの言ってる事に矛盾が起きる!!》
《テレ朝が、日テレのキャスターの口を封じたという事ですか?報道倫理違反ではないですか?ジャニーズ事務所から頼まれてこう言ってるのではないですか?どっちにしろ癒着ですね》
《テレ朝もジャニーズの言いなりの謗りを免れる為に言ってるんだろうが、この言い訳も酷いぞ。自分が何言ってるか分かってんのか…》
この騒動、いったいどこに着地するのか――。
外部リンク