国際政治学者・三浦瑠麗氏の夫で、投資会社「トライベイキャピタル」を経営する清志氏が、4億2000万円を横領したとして逮捕・起訴されてから約4カ月が経過した。
テレビで見ない日がないほど売れっコだった瑠麗氏だったが、今年1月にトライベイキャピタル社が東京地検特捜部による家宅捜索を受けたことで、出演予定の番組から跡形もなく消えてしまった。
“タレント生命” を断たれたように見える彼女だが、余裕の姿勢は崩さない。2月上旬、永田町にある、瑠麗氏と清志氏の会社が入居するガラス張りのビル1階には、にこやかに女性と談笑する瑠麗氏の姿があった。本誌が退社する瑠麗氏に声をかけると、笑みをたたえながら「こういうときにコメントはできないので……失礼します」と、シャネルのハンドバッグを片手に、優雅なしぐさでタクシーに乗り込んだ。
だが、騒動の影響はじわじわと出始めているようだ。瑠麗氏が代表を務める「山猫総合研究所」は、永田町から渋谷区の高層複合ビル内にオフィスを移転している。本誌が同社に問い合わせたところ、移転の旨を記した返答が来た。6月27日の『WEB女性自身』によれば、新オフィスの賃料は「30分の1以下」とも伝えられた。
さらに、瑠麗氏は清志氏が逮捕された3月、ある裁判にも敗訴している。相手は、テレビ朝日法務部に務め、先日『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』(幻冬舎)を上梓した西脇亨輔氏だ。
元アナウンサーだった西脇氏は、2006年、後輩社員の村上祐子氏と結婚し、2007年に同局法務部に異動。2018年12月には妻から離婚訴訟をおこされ、さらに4カ月後の2019年4月、妻とNHK記者が同棲していることが「週刊ポスト」に報じられた。
このニュースについて、瑠麗氏がこうツイートしたのだ。
《そもそも何年も別居し離婚調停後、離婚訴訟係争中の人を不倫疑惑とする方が間違い。新しいパートナーと再スタートを切り子供を作ることさえ、離婚しにくい日本では難しい。これは本来多くの人が抱える問題のはずなのに。村上祐子さんを朝まで生テレビから下ろすべきではない》(2019年4月23日)
《週刊ポストは村上さんの相手が破綻事由でないことも、離婚訴訟中であることも知ってて敢えて隠して不貞行為のように書いたでしょ》(2019年4月25日)
西脇氏は当時の心境をこう語る。
「当時、離婚訴訟については、本当に誰にも話していない時期でした。ただでさえ『週刊ポスト』の記事が出て、平常心ではなくなっているところに三浦さんのツイートが出てしまい、傷口をえぐられるような気持ちになりました。
ごくプライベートな話が、ツイートという形で不特定多数の目にさらされ、どんどん見ず知らずの人たちに拡散されていったんです。自身のした行為がどんな影響を及ぼすのか、きちんと考えてからツイートしたとは思えません。非常にやるせなく、途方に暮れる思いでした。
私は会社員ですし、当時テレ朝の『朝まで生テレビ』で三浦さんは準レギュラー的存在でした。そうした人をいち会社員が訴えることが許されるのか、とても迷いました。
しかし、何の抵抗もせず言われるがままにやり過ごせば、『どうしてあのとき何もしなかったんだろう』と後悔すると思ったんです。納得できないまま生きるより、きちんとけりをつけたいと考え、提訴することを決めました」
2019年7月、西脇氏が瑠麗氏を提訴。2021年11月の第一審で、瑠麗氏のツイートは不法行為にあたると判決が出る。だが、瑠麗氏は控訴・上告を選び、最終的に2023年3月、最高裁で西脇氏の勝訴が確定。4月には、瑠麗氏から賠償金など約35万円が振り込まれた。
「勝訴の知らせが来たときは、家で1人、叫びましたね。この3年8カ月、常に裁判のことが頭の片隅にありました。ここで負けたら自分が潰れてしまう、という気持ちでやり抜いた裁判だったので、ようやく終わったんだという思いです。
三浦さんは気軽にしたツイートだったのかもしれませんが、された側はどういう思いを抱いたのか、少しでも伝わってほしいです」
一連の騒動に関しても、思うところがあるという。
「詳細はわかりません。ただ、三浦さんは騒動について、一度月刊誌でコメントした程度で、疑惑について真正面から発言することはなかったと認識しています。正直、私との裁判の場でも、議論がかみあわず、肝心なところに答えていない場面がよくありました。
やはり公の場で自身の意見を発信するコメンテーターという立場である以上、すべてのことについて答える場を作るべきではないかと私は思います。
私との裁判についても、最高裁での敗訴に関しては一切コメントがありませんでした。都合が悪いことだからこそ、正面から向き合って答えるべきではないでしょうか」
本誌は、夫・清志氏の “憔悴ぶり” も目撃している。「日中は、関係者と打ち合わせをするためか、せわしなくオフィスを出入りしていますよ。表情は暗いですね……」(ビルの利用者)
「トライベイキャピタル社」が東京地検特捜部に家宅捜索を受けた直後の2月上旬、瑠麗氏より1時間早く退社した清志氏を直撃した。
――「FLASH」です。
「んなぁんだよ!」
舌打ち交じりに記者を一喝すると、踵(きびす)を返してビルに戻った清志氏。六本木の夜の住人御用達のブランド「モンクレール」の高級ダウンを着て、東大卒の元エリート官僚とは思えない “チンピラ風” の恫喝である。
「余裕がないのでしょう。清志氏はなんとか事を有利に進めるために、“無罪請負人” として知られる大物弁護士や、元検事の有名弁護士に相談をしているそうですが、難航しています。
相談を受けた弁護士の一人は、トライベイキャピタル社が組成したファンドを清算して残金を返却することで、原告企業と和解するようにすすめたそうですが、本人は聞く耳を持たないようです」(元トライベイキャピタル社関係者)
夫婦ともどもダメージを負った今回の騒動。現在も清志氏の取り調べは続いている。
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