5月13日、岸田文雄首相が特別講師として出演した『世界一受けたい授業 サミット直前SP岸田内閣総理大臣特別授業!』(日本テレビ系)が放送され、各所で話題を呼んでいる。
岸田首相は、番組冒頭で「G7サミットを、子どもさんはじめ、多くのみなさんに知ってもらういい機会と思い」と、出演理由を説明。番組では、首相としての日々の活動に加え、G7サミットをめぐるクイズが出され、ゲストらに対し、岸田首相が解説していく展開となった。
進行役として出演している、くりぃむしちゅー・上田晋也は、「岸田文雄先生です!」と首相を呼び込んだのち、「くりぃむしちゅーなんてご存知ないですよね?」と質問。岸田首相が「いやいや、知ってる知ってる。上田さん、同じ(早稲田)大学じゃないですか」と話しかけ、上田が「先輩!」と感激したように答えるやり取りが見られた。
その後も、上田や総合司会の堺正章によるスムーズな進行で、番組はつつがなく終了。政治家がゲストだからといって、共演者から厳しい意見が飛びかうようなこともなかった。
岸田首相へのイジりは、くりぃむしちゅー・有田哲平が「(ある始球式で)元野球部だからって投げられる雰囲気出して、大暴投で失笑をかった人がいらっしゃいましたね」と話を振り、岸田首相から「私です……はい」と苦笑いを引き出した程度。上田も「野球部出身の投げ方ではなかったですね」とつけ加えた程度だった。
だが、上田といえば、2017年から2019年まで放送されていた報道番組『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS系)で、舌鋒鋭く安倍晋三政権を批判していたことで知られている。2018年には、西日本豪雨で被害が出るなか、安倍元首相らが「赤坂自民党」と呼ばれる酒盛りを開いていたことに対し「以前、えひめ丸の事故のとき、森喜朗首相がゴルフやってて、退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思うんですよ」などと、厳しい姿勢を見せていた。
2019年に迎えた番組の最終回では「私はこの番組において、いつも、ごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。しかしながら、一方で、その当たり前のことを言いづらい世の中になりつつあるのではないかなと、危惧する部分もあります。もし、そうであるとするならば、それは健全な世の中とはいえないのではないでしょうか」と、メディアにおける政権批判の難しさに対する思いを語った。
政権に対する厳しい態度が視聴者から支持を得ていただけに、今回の『世界一受けたい授業』での“牙の抜けっぷり”に、がっかりした人も多かったようだ。SNSでは、上田に対する失望の声が相次いでいる。
《司会の上田、なぜ国債発行して一律給付しないんですかぐらい言ったったら良かったのに》
《上田晋也も魂を悪者に売り渡したんだな。サタデージャーナル最終回でのあの発言は何だったのか? 誰かに言わされただけなのか?》
《こういうのに協力するようになって上田も終わったよね。》
《上田さんは色々突っ込んでくれるんじゃないかと期待してたんだけどな…》
さすがの上田も、今回の番組では“忖度”に終始せざるを得なかった!?
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