今季入団の新人でただ一人シーズンを1軍で迎え、開幕戦にも登板したドラフト4位の三浦銀二投手(22)は今、ファームで救援陣の一角を担っている。自分の力を冷静に受け入れながら、再び1軍のマウンドに立つべく、日々その右腕を振っている。
2022年のプロ野球が華々しく幕を開けた3月25日、三浦は横浜スタジアムのマウンドに立った。
序盤から広島に主導権を握られたゲームで、3-8の八回に5番手で登板。本拠地は、当時の最多動員である3万2436人の観客で膨れ上がっていた。
「ものすごく緊張していたけど、あれほどの大観衆の前で投げるのは初めてで感動した。だけど頭の中は割と冷静で周りが見えていた」
ほろ苦デビューを客観視
大舞台での初登板に、22歳の胸中にはさまざまな感情が同居していた。
結果は、2回で41球を投げて4安打1四球3失点。数字を見れば苦いデビュー戦。三浦はどこか自身を客観視していたという。「結構、落ち着いていた。『うわあ、打たれてるなあ』とか思って」。一方で「もっとできることはあったかもしれない」ともこぼした。
その後、出場機会はなく、初登板のわずか1週間後にファーム行きが決まった。「まだ1軍では通用しないという判断だったと思う」と振り返る。三浦監督からは「課題は自分でも分かっていると思う。2軍の監督とコーチにも伝えているから、しっかりやって、いい状態で戻ってきてほしい」と送り出された。
ファームでは、打者を打ち取るパターンを模索している。「バッターが嫌がる球や、想定してない球を投げられるように」と配球を見直して投球の引き出しを増やすべく、試行錯誤を続ける。
「自分の間と感覚で」充実感
6月10日のイースタン・リーグ、ロッテ戦は確かな手応えを得た一戦だったという。前の試合まで4戦連続失点を経て、2回を1安打無失点に封じた。「自分の間と感覚で投げられた」と充実感を漂わせた。
視線を定めるのは当然、悔しさを残してきた場所だ。「結果を出し続けて1軍に上がり、今度は戦力として定着したい」。ハマスタのマウンドには、見違えた自分で戻ると決めている。
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