ベイスターズの2年目、小深田大地内野手(19)が成長へのステップを順調に踏んでいる。ルーキーイヤーの昨季はファームでチーム最多の43打点を記録。主将・佐野恵太外野手(27)から背番号44を受け継いだ将来の主砲候補は、確実性を磨くため、きょうもバットを振り続ける。
4月19日のイースタン・リーグ巨人戦。五回無死、2球で追い込まれながらも左前への安打で出塁した。「何とかして絶対に塁に出る。最低でも一日1本は打つという気持ちで臨んでいる」。16日時点でチーム2位の打率2割7分7厘をマーク。強い思いは結果に表れている。
チーム最多の三振数
昨年は2軍で100試合に出場し勝負強さを発揮した一方、三振数はチーム最多の108個。打率も2割1分5厘と伸び悩んだ。「1年間通して、力のなさを感じた」。打ちたい気持ちが焦りを招いた1年目だったと振り返る。
オフは球界を代表するバットマンから薫陶を受けた。2年連続でパ・リーグ首位打者のオリックス・吉田の自主トレに参加。打撃フォームだけでなく、打ち取られた際の考え方など、一流打者の技術やメンタルを吸収した。「バッティングに対する感覚が180度変わった」と濃密な約2週間を過ごした。
目標とする場所にはまだ遠いと自覚する。5月に入り、2軍調整している宮崎のプレーを間近で見る機会に恵まれた。「打つべき球を一発で捉えてすごいとしか言えない」。「危機感を持っている」という三塁の守備でも、捕球姿勢や送球など積極的に教えを請うた。「一つ一つの行動が自分としても勉強になった」と感謝する。
恩師から「自覚持て」
今春、母校の大阪・履正社高で監督を務めた岡田龍生氏が定年退職し、兵庫・東洋大姫路高の監督に就任した。小深田は昨年12月、恩師の下を訪れた際、「お金をもらって野球をしている自覚を持て。人と一緒ではいけない」と激励されたという。
ファームでの首位打者を直近の目標に掲げる19歳は「無駄な打席がないように取り組む」。ロマンあふれる大器は、与えられたチャンスを逃すつもりはない。
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