首位の阪神に今季初となる同一カード3連勝を飾り、29日からは4ゲーム差で追う4位中日をホーム神宮に迎え撃つ。開幕からクローザーを務める三嶋一輝投手(31)はチーム低迷の責任を背負いながらも、闘争心は失っていない。「抑えて結果を出し続けるしかない」。三浦監督から学んだ大切な教えを胸にマウンドへ向かう。
壁は自分で乗り越える
26日の阪神戦(甲子園)。2点リードの九回にマウンドに上がると、売り出し中の中野を空振り三振、マルテを左飛、4番大山を遊ゴロと危なげなくゲームを締めた。
昨季途中から守護神のポジションをつかむと、右腕は残りのシーズンを無敗で終えた。しかし、今季は開幕戦で巨人の亀井に決勝弾を浴びるなどここまで3敗。「最下位にいる責任を感じている。取り返さないといけない。この壁は自分でしか乗り越えられない」。そう肝に銘じる。
仲間の支えも実感している。セットアッパーの山崎には「ブルペンで一番いい投手が抑えをやる。みっしー(三嶋)でやられたら、仕方ないですよ」と鼓舞される。エスコバーやピープルズ、さらにはオースティンからも「いいボール投げている。もっと自信を持て」と毎日のように励まされているという。「周りがすごく気を使ってくれる。それだけ抑えは特別なポジション」。闘志をかき立てる理由の一つだ。
忘れられぬ言葉
チームは勝ち星に恵まれず、あらためて1勝の重さをかみしめる。「抑えてみんなでハイタッチして、喜ぶことはクローザーにしかできない。負けが込んでいるからこそ、勝った時のうれしさを去年よりもすごく感じている」。5月28日の楽天戦では三浦監督から「お前しかいないんだぞ」と直接マウンドで言葉を掛けられた。忘れることのできないシーンだ。
現役時代から神奈川県厚木市内で自主トレーニングを共にし、兄貴分と慕ってきた。積極的にコミュニケーションを取る指揮官から、ずっと言われてきた言葉がある。
「しっかり攻めること、やられたらやり返すこと、逃げないこと」
25年間の現役生活を支えた三浦監督の信念を継ぎ、背番号17もまた反骨心を表現していく。
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