頼りになる、という言葉ではまだ足りない。
初回1死満塁で打席には4試合ぶりにスタメンに復帰し、今季初めて5番に入った宮崎。オリックスの左腕宮城のチェンジアップを芯で捉えたライナーが左中間を真っ二つに割る。初回の逸機が響いた前日の景色とは打って変わって、大きな複数点が刻まれた。
「素晴らしい投手なので、狙い球を絞ってしっかりプランニングしていけた」と宮崎。五回に今度は左翼席中段へソロアーチを架ける。今カード初戦に右肋骨(ろっこつ)肋間(ろっかん)筋の炎症と発表され、「(体は)いろいろあります」とけむに巻くが、影響をみじんも感じさせない。
牧は「(打順が)前でも後ろでも頼れるし、安心して打席に入れる」と改めて存在の大きさをかみしめる。打線は乗せられたようにつながり、試合前まで防御率1点台だった好投手から8点を奪う猛攻で圧勝。宮城から放った7安打のうち5本は変化球を仕留めており、三浦監督は「ミーティング通りの攻撃ができた」と、してやったりだ。
雨天中止の影響による9連戦は2カードが敵地ながら、5勝4敗と勝ち越した。交流戦は同率首位で、残り6試合は今季勝率7割5分超えの本拠地。球団初の交流戦制覇も現実味を帯びてきた。
それでも宮崎は「先を見るよりも1勝ずつと思っている。まずは目の前の試合」と一戦必勝を強調する。打線組み替えの試みも含め、今後の試金石となり得る遠征だった。
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