古巣のコーチ就任2季目を迎える横浜DeNAの石井琢朗チーフ打撃コーチ(52)が春季キャンプ地・沖縄県宜野湾市でインタビューに応じ、自身も中心選手として日本一に輝いた1998年の「マシンガン打線を凌駕(りょうが)する打線をつくりたい」と宣言した。現役時代は名ショートとして活躍した球団のレジェンドは、有望株の森の定位置争いについても語った。
─春季キャンプを終えた今の手応えは。
「全然ない。天気が良かったので、ある程度思っていた練習はできたかなと思うが、そこに満足はしたくない。あとは選手がどれだけやってきたか。選手を信じて良い方に出ることを祈っている」
─今季からチーフ打撃コーチに変わった。
「役割は変わらない。チームが日本一、優勝することが大前提で、その中で打撃コーチとして打線をどう機能させていくか。そこに全集中という感じ。それこそ98年のマシンガン打線を凌駕するような打線をつくりたいと思っている」
─チームは出塁率3割2分以上を目指す。
「もちろん得点の起点になるのは出塁率。だが、あまり数字にはこだわらない。そこを前面的に出すと、(塁に)出ることばかりになってしまう。そうじゃなくて、やっぱり(横浜)DeNAの打線の良いところをどれだけ引き出せるか。その結果、そういう数字が付いてくればいい」
─爆発力が打線の特長だ。
「打線の特長というよりも、チームの特長が明るさなのかな。それを打線にどう組み込んでいけるか。そこに裏付けが何か欲しい。今、それを模索中」
─重視する打順は。
「イメージはあるが、昨年は、ほぼほぼ最後まで全員がそろわなかった。そういうこともある程度予想しないといけない。イメージはあるが、今は言えない」
─上位を打つ選手は足が使えた方がいい。
「理想はそうだが、足を使える選手がいるのかどうか。そういう選手がゲームに出られるのか。その辺は足を使える、使えない、両方のパターンがあるのかな」
─森が好調だ。
「それこそ当てにしていない。当てにしていないというか、調子が良いことは悪いことじゃないので、僕ら的にも油断したくない。昨年はキャンプ最後のオープン戦でけがをしてしまった。ぬか喜びはしたくない。気を引き締めていきたい」
─現時点で遊撃レギュラーの最有力候補か。
「そうなのかもしれないが、それこそ本当に分からない。もっともっと悩ませてほしい」
─他に目立った選手は。
「個々がしっかり目的意識を持って課題に取り組んでいた。ただ、それが結果として出ていない。突出して誰か目立った選手を挙げるとなるといない」
─対外6試合のうち3得点以下が4試合。なかなか点が取れない。
「練習試合は割り切ってそういう試合にしていた。選手が駄目というよりも、僕らがそういう指示を出していた。別に打つな、という指示は出していない。ただ打てなかっただけ」
─残り1カ月のプラン。
「なくはないが、楽しみにしていてください」
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