古巣復帰2年目でさらなる重責を担う。昨季バッテリーコーチを務めた横浜DeNAの相川亮二氏(46)は、今季からチーフ作戦コーチも兼任している。球団では谷繁元信氏以来34年ぶりとなる高卒ドラフト1位捕手の松尾(大阪桐蔭高)の育成も預かる立場。新たに加わった肩書、競争が激しい捕手陣の現状について聞いた。
-今季から「チーフ作戦コーチ」も兼任した。
「攻撃に関しても守備に関しても、監督や各コーチと共に作戦をまとめるような立場だと考えてもらえれば近いと思う」
-1軍キャンプに参加している松尾は実戦にも出場して経験を積んでいる。これまでの動きをどう見ているか。
「まだまだ足りないところは当然あるが、それがいけないわけではない。ミスもするし、できないこともたくさんある。そういう経験をして成長できるように、キャンプを過ごしている」
-キャンプ中はマンツーマンでキャッチング指導も行っていた。捕手経験はまだ浅いが、求めるものは多い。
「ベイスターズの正捕手になれる選手だと思っている。いろんな話をしながら、1年でも早くそこにたどり着けばいい」
-(19日の)第4クール終了時点で伊藤は打席に立ったのみだが、戸柱、山本、松尾の3選手がマスクもかぶった。それぞれの評価は。
「みんなしっかり仕上げてくれているし、結果を残さなければいけない中でいい動きをしてくれている」
-現時点で捕手の中心になりそうなのは。
「正直まだ分からない。伊藤君はまだ実戦でキャッチャーに就いていないし、山本祐大も結果を残したとはいえない。まだまだこの戦いは続く」
-以前「1週間の6試合で中心の捕手が4試合、他の捕手が2試合という出場の割合が理想」と話していた。
「今季がそうなるかは正直分からないが、今もその考えはある。中心の捕手の疲労が軽減され、いろんなものをクリアにできると考えている」
起用プラン 時代即した柔軟さに注目
昨季の球宴中断期間に「6試合で正捕手が4試合、他の捕手が2試合」という相川コーチの起用プランを初めて聞いた。「あくまで個人的な理想」と強調するが、時代に即した捕手起用のあり方でもあると感じる。
ただでさえ心身ともに負担の大きなポジション。他球団を見渡しても、定義にもよるが、絶対的とされる正捕手は限られる。昨シーズン日本一に立ったオリックスは若月、伏見(現日本ハム)らを併用。セ・リーグ連覇のヤクルトも、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の中村を中心に据えつつ、若手の内山壮らに出場機会を与えてきた。
相川コーチが言うように、ここまでの実戦を見る限り、「軸」を担うべき選手の決定打はまだない。就任時から「レギュラー捕手がいなければ、みんなで戦えばいい」と再三話していた。
1年目の松尾は、近未来の「正捕手」筆頭候補。経験豊富な相川コーチの手腕にも期待したい。ただ、当面は正捕手という固定概念にとらわれすぎず、現有戦力に合わせた柔軟な起用に注目していく。
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