ベイスターズの2軍を追う「REPORT BY DOCK」。1軍昇格を目指す若手の歩みに迫る。
今季中の1軍デビューを夢見る大器がもがいている。横浜DeNAの2年目、小園健太投手(20)。かつて「高校ビッグ3」と呼ばれた右腕は、横須賀で先輩たちの教えを受け、実戦を重ねながら課題と向き合う日々を送っている。
8月29日のイースタン・リーグ西武戦。先発した小園の登板内容は、現在地を示すようなものだった。初回に連続四球を与え、後続には甘く入った変化球を打たれ、3失点を献上した。
13歳年上の三嶋から
続く二、三回は三者凡退。立ち直ったかのように思えた四回には再び先頭打者を歩かせると、連続適時打を浴びてさらに2点を失った。一方、五、六回は3人で打ち取った。良い回と悪い回を繰り返し、七回途中でマウンドを降りた。
失点したイニングはいずれも四球からリズムを崩している。課題はもちろん「制球力」と小園は言う。「ボールが続いたときにいかに立て直せるか。そこを詰めていきたい。粘られながら四球を出さずに耐えられたところもあった」と前を向いた。
ステップアップのために、経験豊富な先輩たちからも教えを乞いている。13歳年上の三嶋からは「(投球の際)筋肉で足を上げている。だから無駄な力が入っている」と指摘を受けた。関節の可動域を広げるため、柔軟トレーニングを一層増やしたという。
投手練習では今永とのキャッチボールを志願。1軍で活躍する左腕の強い球を受け、自身とWBC日本代表に選出されたエースの距離を実感した。
「戦力として」1軍へ
体づくりに専念したルーキーの昨季は3試合の登板だったのに対し、今シーズンは8月終了時点で14試合に登板。コンスタントに実戦経験を重ねている。
本人の思いは当然、「今年(1軍マウンドに)上がりたい気持ちがある」。しかし、未来のエース候補に対する首脳陣の言葉は厳しくも温かい。仁志ファーム監督は「1軍のマウンドに立つのは登録さえすればできる。そうではなくて、1軍の戦力としてマウンドに上がるべき。そういうことを考えると、現実はもう少し先に置いておいた方がいい。今はもがきながらやっている」
鳴り物入りで入団し、三浦監督の背番号18を継承した20歳は「期待されているし、厳しい目で見られると思う」と注目度も理解している。本拠地・横浜スタジアムのマウンドに立つ日をイメージしながら鍛錬を重ねている。
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