24年ぶりのリーグ制覇と日本一を目指す横浜DeNAの春季キャンプは、5日から第2クールを迎える。今季新たに加入した指導陣はいかにしてチームに変革をもたらそうとしているのか。「新コーチに聞く」。第1回は現役時代に「ハマの安打製造機」と称されファンを魅了した鈴木尚典打撃コーチが、打線の方針や打者育成に懸ける思いなどについて語った。
-第1クールを終えた。今の率直な気持ちは。
「いろんな思いがあってのキャンプ。いろんな感情がある」
-いろんな感情とは。
「ありすぎるんだ」
「コーチとしてまたここに戻って来られたこと。三浦監督の力にならないといけない思いとか。他のコーチも石井琢朗さんに斎藤隆さん、相川亮二ら現役時代にプレーした人たちがいる。力を合わせていきたい。簡単には言えない。いろんな思いがありすぎて」
-第1クールの打撃テーマは「振り抜く」だった。狙いは。
「石井野手総合コーチとも話し合って決めた。打者として一番の基本だ。1年間振れる力や体力、スイングスピードが最も大事だと思っている」
-秋季トレーニングで「誰であろうともバントをしてもらう」と宣言。実際に第1クールでは佐野選手もバント練習に取り組んだ。
「フォア・ザ・チームの意識をみんなに持ってもらいたい。特定の選手はバント練習免除とか、サインを出さないとか、そういう空気をなくしたい。佐野や宮崎、牧にも『もしかしたらバントさせるよ』と伝えているし、みんな『したくない』とは言わない。全員が勝ちたいと思ってくれているから。オープン戦ではバントのサインを出してください、と既に僕から監督にお願いしている」
-独立リーグのBC神奈川での監督経験は生きているか。
「共通しているのは選手の野球人生を預かるということ。打撃コーチなら打つことに関して成長させるのが仕事。究極的に言えば、打者は全員がキャリアハイの成績を残してもらうくらいの気持ちでやっていく」
-自身の現役時代に比べて選手の気風に変化は感じるか。
「完全には把握してないけど、みんな優等生で優しくていい子。僕の頃は癖のある人たちがたくさんいた。もっとガツガツしてもいいのではないかとは、多少感じる」
-楠本選手が、小学生の頃に鈴木コーチや三浦監督らと撮った記念写真をインスタグラムに投稿した。
「彼は元ベイスターズジュニアの選手。それが今、プロ野球選手になってベイスターズのユニホームを着ている。いろんな思いがある」
外部リンク