華やかな香りがする取材だった。文字通り、いい匂いがしたのだ。香りの主は3年目の森敬斗。隣にいた他紙の記者がたまらず「ほんまにいい匂いするな」とツッコミを入れた。
指摘に少し照れながら、20歳の若者らしい言葉が返ってくる。「『くせー』って思われたら嫌じゃないですか。身だしなみも香りも整えていかないとって感じです」
この日の取材は日暮れ近く。若手の練習時間は特に長く、汗と土にまみれないわけがない。森なりの気遣いでもあったのだろう。
同時に、痛々しいまでに皮がむけた手のひらも目に入る。香りとのギャップに心をつかまれた。
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