去就に気をもむファンに「残留」を報告すると、いつまでも続くような拍手が降り注いだ。横浜スタジアムの中心で、横浜DeNAの山崎康晃は涙を抑えることができない。あふれ出るものをこらえながら「僕の夢と一緒に跳び続けてほしい。これからも応援よろしくお願いします」と呼びかけると、再び温かい拍手が包み込んだ。
熟慮を重ねて決断した。「決めたのは2、3日前くらい。本当にギリギリまで悩んだ」と打ち明ける。チームに残ると決めた理由は「一番は今季が非常に楽しかった。まだまだ九回のマウンドに立ち続けていきたい」。苦しんだ末に取り戻した場所への思いだった。
かねて米大リーグを「夢」と公言してきたが、「メジャーの道はひとまず封印」と宣言。球団と新たに6年契約で合意したことも明かした。「リリーバーは一般的に短命と言われる。ここまで長期契約を選んでいただいて頭が上がらない。横浜のために骨を埋める思いで全力で頑張りたい」と決意を新たにする。
残留を表明したステージで声を詰まらせたのは、最愛の母ベリアさんの話題に触れた時だった。「昨年、2年前と思わしくないシーズンで、最愛の母を亡くして本当に苦しい時間でした」。他界したのは昨季の最終戦だったことも明かした。
「闘病中は母もきっと苦しかったと思うけど、その中でずっと試合を見続けて応援してくれた。簡単な判断ではなかったけど、母もきっと喜んでくれると思う。もっと喜んでもらえるように腕を振っていきたい」と誓いを立てた。
山崎の夢は今、新しいものに変わった。「横浜の優勝のために頑張っていきたいなと改めて強く思っている。夢を追い続けて頑張っていきたい」
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