先発としての信頼を再び勝ち取りにいく。横浜DeNAの上茶谷大河投手(26)が来季の開幕ローテーション奪取に向け、秋季練習で体力強化に励んでいる。「長いイニングを投げないといけない」。飛躍の5年目とするべく、自覚を深める。
今季は2年ぶりの完封を果たすなど滑り出しは順調に見えたが、4月下旬以降は制球に苦しむ場面が目立って6連敗。左足首の捻挫や新型コロナウイルス感染も重なり約3カ月間の戦線離脱を余儀なくされた。
「実戦的な考え方とか、相手の傾向を踏まえた上でどういう投球ができるか考えさせられた」。終盤戦に復調をアピールしたが、3勝6敗と苦いシーズンに終わった。
課題の一つがスタミナだった。今季13戦で100球以上投げた試合はなく、平均投球回も5・1回にとどまった。「自分がいけると思っても見る側の判断もある」。球数が増えると疲労感が如実に投球結果に表れた。
今秋は三嶋の勧めでピラティスを取り入れ、筋力トレーニングも重視。体重は5キロ増の89キロとなり、体幹から指先に効率良く力を伝えられているという。「腕とか肩に疲労を感じなくなって、より全身を使って投げられる」。例年は一度のブルペンで60球程度だった投球数を今は100球ほどに増やしアピールを続けている。
10月には東洋大時代のチームメートで同学年の中川圭(オリックス)が日本一に貢献。「あそこで投げたいというのは野球人ならみんな思っている」。球友からの刺激もモチベーションに変え、寒風吹く中、がむしゃらに右腕を振り続ける。
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