皆さんの一番好きなお寿司のネタは何でしょうか? くら寿司にも常時90種類以上のお寿司のメニューがあり、好みは人それぞれだと思いますが、筆者は「イカ」です。中でも最近は、肉厚でもっちりとした食感の「紋甲イカ」がマイブームです。
マルハニチロの調査によると、回転寿司でよく食べるネタのベスト3は、「サーモン」「マグロ(赤身)」「マグロ(中トロ)」の順となっています。
ちなみに、回転寿司で(食べたいけど)我慢することが多いネタについては、「マグロ(大トロ)」「ウニ」「マグロ(中トロ)」となっています。
人気もお値段も高い「大トロ」と「中トロ」ですが、この二つをどうやって分けているか、みなさんはご存じですか?
マグロの身は、赤身から中トロ、大トロと、甘みがあってとろける食感の脂が多くなることはご存じと思います。
マグロの胴体部分は、大きく分けて、中央の赤身部分とその周囲の脂が多い「トロ」の部分に分けられます。マグロの断面で言うと、中心部分が赤身で、周辺の皮に近い部分がトロということですね。
トロの部分はさらに、背中側と腹側に分けられます。そして、それぞれ頭の方から、「かみ」「なか」「しも」と三つに分けられています。
つまり、背中側のトロは頭に近い部分から順に「背かみ」「背なか」「背しも」、お腹側も同様に「腹かみ」「腹なか」「腹しも」と分けられるわけですね。
そして、多くの方が食べたくても我慢している「大トロ」は、これらのうち「腹かみ」すべてと、「腹なか」の一部になります。トロのうちそれ以外の部分が、中トロです。大トロは、赤身や中トロに比べて1匹から取れる量が少ないので、必然的に値段も高くなります。
マグロの脂には、血液をサラサラにするEPAや脳の活性化に効果があるとされるDHAが多く含まれていますので「大トロ」はそうした効果が大きいといえますが、脂が多い分カロリーも高くなっていますので、食べ過ぎには注意も必要ですね。
そしてここで問題になるのが、「腹なか」のどこまでが大トロでどこからが中トロなのかということですが、実は明確な定義はありません。取扱業者やお店が、長年の経験とノウハウで区分しているのが実情です。
そしてもうひとつ、皮からどこまでをトロと呼ぶかですが、こちらについても明確な定義はないようです。
くら寿司では、皮から4センチのものを中トロとして仕入れて販売しているんですが、一般的には、皮から7センチ程度までを中トロとよんでいることが多いようです。
ですから、くら寿司の中トロは、一般的な中トロより、脂身の割合がかなり多いということになります。脂が乗った中トロが好みの方は、ぜひくら寿司の「中トロ」をお召し上がりください。
その他にも、「かま」や「脳天」などの希少部位もありますが、1匹から取れる量が非常に少ないため、くら寿司のような全国チェーンではほとんど扱っていません。
【「それやっちゃダメ!」 おうちでお寿司をおいしく食べるための「意外な禁止事項」とは】
○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。著書に『お魚とお寿司のナイショ話』
※AERAオンライン限定記事
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