来年は冬季五輪。夏の五輪が終わって間もないが、次は冬の競技も気になる。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」では、スポーツのうんちく(深~い知識)を紹介する連載を掲載中。10月号では、フィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックのスケート3競技について紹介した。
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1、フィギュアスケートには厳しい衣装ルール 男子はタイツも×
フィギュアスケートは衣装のルールが細かく決められていて、女子は過度に肌を出したもの、男子では、わき毛や胸毛などが見えてしまうものや、タイツの着用は認められていない。違反すると、転倒と同じ1・0点の減点になる。
2、同じスケートでも競技によって靴はさまざま
【フィギュアスケートは溝とギザギザがジャンプや回転を生む】
同じ氷上のスケート競技でも、使用する靴はそれぞれ違う。フィギュアスケートでは、ステップ・スピン・ジャンプなどの多彩な動きを可能にするため、刃の真ん中に溝があって、内側と外側の両方で氷に接するようにつくられている。つま先の部分にギザギザがあるのも、ジャンプや回転、着地するのに欠かせない。
【スピードスケートはかかとが離れる「魔法の靴」】
スピードスケートの靴は、かかととブレード(刃)をつなぐ部分が離れ、バネ仕掛けで再び戻るしくみの「スラップスケート」だ。かかとが上がっても刃が氷に接しているので、より長く氷に力を伝えられ、疲労も少ない。1997年にオランダ選手が使って好成績を出したことで広まり、98年の長野五輪では5種目で世界新記録が生まれて「魔法の靴」と呼ばれた。
【ショートトラックで刃と靴が離れているのはカーブがきついから】
ショートトラックはスピードスケートよりも一周の距離が短いため、カーブがきつく、回る際には体をぎりぎりまで倒さなければならない。そうなっても靴が氷上につかないよう、刃と靴が離れている。また、大勢でいっせいに走るショートトラックでは、スピードが出すぎると危ないため、スラップスケートは禁止だ。
3、競技が違えば氷の温度も違う
スケートリンクの氷は、競技に合わせ、温度を変えている。五輪の場合、フィギュアスケートとショートトラックは同じ会場を使うが、フィギュアの場合はスピンやステップなどの複雑な動きがしやすく、ジャンプの後に着氷しやすいよう、氷の温度は高めで、軟らかく設定されている。
4、スピードスケートでゴール後すぐフードを脱ぐのはなぜ?
スピードスケートでは、ゴールした直後、フードを脱いで、ファスナーを下ろす選手が多い。これは、競技するのに最適な前傾姿勢を保ったままでいられるよう、一人ひとりの体にぴったり合わせてスーツがつくられているから。着けたまま顔を上げるときついので、すぐにフードを脱ぎ、ファスナーを下ろすのだという。
●競技データ
【フィギュアスケート】
スケートの技と滑りの美しさを競う競技。北京五輪では、一人で滑る男子シングルと女子シングル、男女2人1組で滑るペアとアイスダンスの4種目が行われる。それぞれショートプログラムとフリープログラム(アイスダンスはリズムダンスとフリーダンス)を音楽に合わせて演技し、ジャッジが採点した得点で順位が決まる。
【スピードスケート】
1周400mのリンクで各距離をどれだけ速いタイムで滑ることができるかを競うスケート競技。北京五輪では、2人1組で競う男女別個人種目の500m、1000m、1500m、3000m(女子のみ)、5000m、10000m(男子のみ)のほか、何人もがいっせいに滑って競う個人種目のマススタート、3人でチームを組んで滑り最後にゴールした選手のタイムで競う団体追い抜き(チームパシュート)が、それぞれ男女別に行われる。
【ショートトラック】
1周111.12mのトラックを集団で滑走し、着順を競うスケート競技。北京五輪では、500m、1000m、1500mの男女別の個人種目と、4人がチームを組むリレー(男子5000m、女子3000m)のほか、新種目として、女子2人と男子2人がチームを組む男女混合リレー(2000m)が実施される。
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※月刊ジュニアエラ 2021年10月号より
外部リンク