安斉かれんと三浦翔平がダブル主演を務める土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」(4月18日(土)スタート、毎週土曜夜11:15-0:05、テレビ朝日系/AbemaTVでも配信)が早くも注目を集めている。日本を代表する歌姫の知られざる過去を映像化した本作だが、注目を浴びる理由はそればかりではない。徐々に明らかになってきた作品の概要からは、鈴木おさむ脚本ならではの狂気に満ちたドロドロ展開の匂いが漂っているのだ。
“クセ者”ぞろいの共演陣
本作は、歌姫・浜崎あゆみが誕生するまでに秘められた出会いと別れを描く小松成美氏の同名小説を映像化。鈴木おさむ氏がドラマならではの彩りを加え、壮大なスケールで連続ドラマ化する。歌手を夢見て福岡から上京してきたアユ(安斉)と、のちにレコード会社「A VICTORY」を設立し日本の音楽史を塗り替える稀代のプロデューサー・マサ(三浦)が育んだ愛の物語だ。
だが、このドラマが純愛ストーリー以外の側面も持つことが徐々に明らかになってきた。アユとマサを取り囲むキャラクターが、異様な雰囲気を放っているのだ。
マサの秘書・姫野礼香役はフリーアナウンサーの田中みな実。眼帯姿のビジュアルがすでに非日常感たっぷりだが、出演について「狂気を感じるほどにマサを愛し、一番の理解者でありたい、所有したいという気持ちが増幅して思わぬ行動に出る礼香の奇行にご注目いただければ」「こんなに意地悪な役は初めて…新たな自分を発見できたら面白いなと思っています」とコメント。狂気、所有、奇行…すでにアブノーマルな気配たっぷりだ。
さらに、“クセ者”キャラを演じたら右に出る者のないベテラン俳優陣も顔をそろえた。上京したアユが所属する事務所の社長・中谷役に高橋克典。そして最大にして最凶の敵、「A VICTORY」社長・大浜役は高嶋政伸が演じる。
高嶋は撮影について「三浦さんとは初日の1シーン目から顔の距離が6センチくらいの近さで激しく対立しました」と語り、「辞任に追いやるまでいろんな計略を巡らせます」と、やる気をみなぎらせる。
強烈キャラ“蘭さん”爆誕の「奪い愛、冬」
本作が通り一遍の恋愛ドラマではないと確信できる理由がもう一つ。脚本を担当する鈴木おさむ氏の存在だ。
近年鈴木氏が手掛けたドラマといえば、強烈な存在感を放つのが「奪い愛、冬」(2017年、テレビ朝日系=現在「TVer」にて一部無料配信中)、そして「奪い愛、夏」(2019年、AbemaTV=現在「Abemaビデオ」にて一部無料配信中)の2作品。
「奪い愛、冬」では、「M-」でも主演を務める三浦翔平が主人公・光(倉科カナ)の恋人・康太役で出演。
康太にプロポーズされた光だが、死ぬほど愛した元恋人・信(大谷亮平)と再会。信には妻・蘭(水野美紀)がいることを知りながら、信への気持ちを再燃させていく。狂気あふれるドロドロ展開を見せた「奪い愛、冬」は放送当時、大きな注目を集めた。
蘭が密会する光と信をクローゼットの中で待ち受け、2人がキスした瞬間「ここにいるよ~」と言いながら満を持して飛び出したシーンには「完全にホラーでしょ!!」「蘭さん怖過ぎ~!」などといったつぶやきがSNSをにぎわせた。ほかにも、蘭が光に吐く「あなた、前世から泥棒だよ」など、どぎついセリフのオンパレード。「奪い愛、夏」は、夜11時台のドラマながら平均視聴率8.0%を記録した。
全員狂ってる!!強烈展開の「奪い愛、夏」
そんな「奪い愛、冬」から2年半。蘭を演じた水野が“桜”という新しいキャラで主演したのが「奪い愛、夏」。水野と小池徹平、松本まりかがクレイジーすぎる三角関係を演じ、「奪い愛、冬」と並ぶ注目を集めた。現在「Abemaビデオ」で一部無料配信中だ。
物語は、敏腕女社長の桜(水野)が、父の借金に頭を悩ます広報部員・椿(小池)の前に突然現れ、「1億円で私と結婚しなさい」と命じるところからスタート。
椿はやむを得ず桜と結婚するが、交際中の杏(松本)との関係を密かに継続。椿と杏の逢瀬に気付いた桜は激怒し、桜の狂気に満ちた行動をこれでもかと展開する。そんな中、椿は桜と杏がかつて女性同士で愛し合っていたことを知る。
突然の“百合展開”の後も、椿が愛に狂って大暴れしたり、桜の脳腫瘍判明による余命宣告、そしてその手術依頼のために杏が医者の大和(大鶴義丹)に体を許してしまう、などジェットコースター並みのストーリー展開で、初回放送からAbemaオリジナルドラマ史上1位の視聴者数(当時)を記録し、SNSは「全員狂ってる!!」「プロたちの振り切った演技が楽しすぎる」「小池徹平あの顔スゴすぎる!」「ハチャメチャ展開から目が離せない」とにぎわった。「M―」に出演する田中みな実もレギュラー出演し、悪女ぶりを発揮した。
「奪い愛、冬」「奪い愛、夏」でこんなにも視聴者を翻ろうし、熱狂させた鈴木氏が新たに手掛ける「M-」。実話を下敷きに、アユとマサの純愛を軸にしながらも、ジェットコースター級のストーリー展開と狂気のキャラ、壮絶なバトルも期待できるという。
鈴木氏自身、「アユとマサの物語『M』。夢をみなければ何も始まらない。この原作に大映ドラマのような衝撃なキャラクターも登場するオリジナリティーも足して、新たなシンデレラストーリードラマとしてお届けできると信じております」とコメントしている。ドロドロでありながら純愛、シンデレラストーリーでありながら狂気に満ちた「M―」がまた視聴者を熱狂させてくれるに違いない。(ザテレビジョン)