安斉かれんと三浦翔平がW主演を務める土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」(毎週土曜夜11:15-0:05、テレビ朝日系/ ABEMAで独占配信)。
本作は、歌姫・浜崎あゆみが誕生するまでに秘められた出会いと別れを描く小松成美の同名小説を映像化。脚本・鈴木おさむがドラマならではの彩りを加え、壮大なスケールで連続ドラマ化する。
レコード会社「A VICTORY」の社員、マサ(三浦)の秘書を務め、愛するマサがアユ(安斉)に肩入れすることが許せず、激しく嫉妬する姫野礼香。今回、ドラマ初回放送から“決して右目の眼帯を外さない謎めいた美女”として話題になっている礼香を演じる田中みな実にインタビューを実施。三浦との共演や、田中が演じるキャラクターについて聞いた。
田中「少々戸惑っています(笑)」
――ドラマ出演が決まった時の気持ちは?
また鈴木おさむさんの脚本でお芝居の機会をいただけて、うれしかったです。
――台本を読んだ感想は?
私が演じる礼香は、とにかくいちずに…狂気を感じるほどにマサを愛していると感じました。愛するがあまり、彼の全てを支配したいのだとも。それ故、アユへの執拗(しつよう)な嫌がらせを繰り広げるわけですが、回を増すごとに、想像の域をはるかに超えるエスカレートぶりに少々戸惑っています(笑)。
このまま田中みな実として生きていたら絶対に口にすることのないような罵詈(ばり)雑言を浴びせ、姑息(こそく)な手段でアユをとことんいたぶる。謎に包まれた眼帯の秘書。台本をいただいて、せりふを声に出してみたら、礼香像が浮かび上がってきました。
――ご自身と似ている部分はありましたか?
ありません(笑)。あったらみんな私から離れていくでしょうね。全く別の人格を演じることに面白さを見いだしています。
――原作との違いは?
原作とは別物として捉えていただいてもいいのかもしれません。私が演じるマサ専務の秘書、姫野礼香に関していえば、原作ではほとんど描かれておらず、眼帯を着けることになったのも、全ては鈴木おさむさんのアイデアです。
田中みな実が三浦翔平の印象を語る
――礼香としての役作りは何かしましたか?
お芝居の経験が浅く、役作りというものをよく分かっていなくて…。
いつも「こういう感じかな?」というイメージを持って現場に入りますが、セットの雰囲気、相手の俳優さんの間合い、監督の意向、カメラの向き、自分が思い描いていたようにはならなくて、そこが面白いなって思います。
姫野礼香は、かなりエキセントリックなキャラクターなので、イメージしていたよりも、ずっとずっとオーバーにやっていいのかなと、模索中です。
――三浦さんの印象は?
私が進行を務める別の現場で何度かお会いしたことはあると思うのですが、しっかりお仕事させていただくのは今回が初めてです。
ご結婚されて、イケメン俳優という枠にとらわれず、役者さんとして一層輝いていらっしゃるように感じられます。いちドラマ好きなアラサー女子の意見ですが(笑)。
――三浦さんとはどんな話をしましたか?
私は「奪い愛、夏」(2019年、ABEMA)に、三浦さんは、「奪い愛、冬」(2017年、テレビ朝日系)にご出演されていたこともあって、「鈴木おさむさんの世界観ってやっぱりぶっとんでる」と初日にお話ししました。
「『奪い愛、冬』でいうところの蘭(水野美紀)さんは、『M 愛すべき人がいて』では、礼香や大浜(高嶋政伸)さん、輝楽(新納慎也)さん。それぞれキャラクターが立っていていいと思うから、(演じる時は)思い切ってやっちゃってください」とアドバイスをいただきました。
その言葉通り、思いっきり演じていたら、婚姻届を持ってマサに迫るシーン(第3話)で三浦さん、堪えきれずに爆笑していましたね。
田中みな実のリフレッシュ方法が明らかに
――印象的なシーンや好きなシーンはありましたか?
第4話の冒頭、礼香さんがウェディングドレス姿で暴れまくり、発狂します(笑)。まだ撮影できていない4話以降の台本でも、礼香の名言(謎言?)がめじろ押しです。どうぞご期待ください。
――礼香はマサやアユをどう思っていると感じますか?
マサに対しては愛情と執着のどちらもが入り交じった感情でしょうか。「誰よりもマサのことを知っているのは私」という強い気持ちを持っているからこそ、マサが可能性を見いだしたアユのことが心底気に入らなくて、嫉妬に狂っている。
今まで、ここまでのヒールを演じたことはないので、思う存分やりきることができればと思っています。
――鈴木おさむさんからはアドバイスはありましたか?
いえ、何にも(笑)。経験のない私の何が鈴木おさむさんレーダーに引っ掛かったのか、いつか聞いてみたいです。
――撮影期間のリフレッシュ方法は?
結果的にリフレッシュやストレス発散になっているのは、レギュラー番組の収録や雑誌の撮影です。ドラマの現場はまだまだ慣れないし、毎度すごく緊張するので、バラエティー番組など慣れている環境に戻るとほっとします。
――田中さんが緊張するイメージがあまりないです。
クランクインの前日は緊張してほとんど寝られませんでした。緊張しているように見えないようですが、初めての現場は毎度ソワソワします。
スタートして、空気感がつかめてくれば多少緊張もほぐれるのですが。とはいえ、初日のクラブでのシーンは眼帯を着けていたし、暗かったので、よく見えないまま気付いたらワンシーン撮り終えていました(笑)。
田中「最後まで皆さんにお届けできますように」
――眼帯を装着しての演技はいかがでしたか?
最初の何日かは、難しいと感じました。距離感がつかみにくいし、視野が狭まるので。でも、日に日に慣れてきて、今ではすっかり相棒です(笑)。眼帯を着けることで礼香になれる。1カ月以上も撮影できない日々が続いていて再開への不安もありますが、きっと私はあの眼帯に救われています。
――マサはカリスマプロデューサーですが、田中さんにとってのカリスマは?
誰でしょう…。カリスマといえば…IKKOさん!カリスマ的存在感を放っていて華やかオーラがただよっているのに、いつでも細やかな心配りを忘れないすてきな方です。
――視聴者の方にメッセージをお願いします。
こんなときだからこそ、視聴者の皆さんがいろいろな感想を持つであろうこのドラマを一層楽しく見ていただけるのではないかと感じます。
原作のアユとマサの純愛、2人にしか築くことのできなかった尊い関係性はしっかりと描きつつ、鈴木おさむさんが生み出したエキセントリックなキャラクターたちの出現により、恐怖や笑い、驚き、いろいろな見方をして、とにかく楽しんでいただけたら本望です。
撮影が順調に進み、この作品を最後まで皆さんにお届けできますように。(ザテレビジョン)