「誰が火葬のOK出したんや」兄はどこへ消えたのか?
NHK NEWS
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  • 総評下村健一

    前半は、「知人と連絡が取れない」という個人的な出来事から出発して、警察から市役所まで、スクロールするにつれてどんどん舞台が展開していく。自分が当事者だったらどんな目に遭うのかが、伴走しているように実感できる。 それが後半は一転、墓地埋葬法から研究者の解説まで、前半の個別事案をテンポ良く一般化してゆく。と、ここまでは読者の[頭]に訴えてきて、ラストは故人の言葉で[心]に訴えて締めくくる。練られた構成だ。 惜しまれるのは、ラスト前の後半部分の結論を「社会全体で議論していく必要がある」という常套句で片づけていること。問題提起型の記事で具体的な締め方が思いつかないときに、安易に記者が頼りがちな決まり文句だ。続編はここを突破して、さらに刺さる発信に挑んでいけるだろうか。 その後取材班は、実際に続編を放ち、今度は常套句で逃げずに更なる情報提供を呼びかけるオープン・エンドの形を取った。素晴らしい、ミッション続行宣言だと思う。

LINE NEWS編集部より

自宅で倒れて亡くなった男性が、近くに住む親族に知らされないまま火葬され"身寄りのない人"として埋葬された問題を取り上げた記事。自治体や葬儀会社が直面する葬送の壁や、やりきれない遺族の思いを通して、向き合うべき「多死社会」の現実を浮き彫りにしています。