受賞記事
- 総評下村健一
特殊詐欺事件そのものでなく、《騙された人の自責や孤立》という“後遺症”に着目した、重要な視点の記事。 性犯罪事件やいじめ事件など、被害者が「被害を受けたお前の側にも落ち度がある」と周囲から心ない責められ方をして二次被害に苦しむ事例は、残念ながら後を絶たない。その中でも詐欺事件被害者は、自分自身も痛切に落ち度を感じて落ち込んでしまう最たるケースだ。 この記事はその現状を、被害者本人やその家族の声だけでなく、「被害の果てに自殺や孤独死をした人を無縁仏として弔う住職」という“最悪の結末立ち会い人”のインタビューであぶり出している。強烈な問題提起力だ。 解決への[入口](相談窓口のバナー)を貼るところまでで今回は締めているが、続編ではぜひ、怒りを自制して被害者を励ましている親族など、救いの[手本]となるケースを見つけ出して報じていただけたらと読者は期待したい。
LINE NEWS編集部より